3月19日 春の水郷めぐり

待ちにまった春。今年初めてのツーリングに、千葉県の佐原市、茨城県の潮来市をたずねました。ほんとうは林道を走りたいところですが、山はまだ冬のまま。この時期に春をさがしに行くには、南にいかねば。考えたのは、春の水郷めぐり。ここは佐原、柳の新芽が、うれしくなるような、初々しい緑です。
千葉県佐原といえば、伊能忠敬。ここが旧宅です。ここで商売をして、晩年になり、日本中を測量して、最古の日本地図を作成しました。
周辺は古い町並みがのこり、さまざまなお店もあって、観光客もたくさん歩いていました。
こちらは旧宅の向かいにある伊能忠敬記念館。入場料は500円。
当日の千葉県は道路工事ばかり。千葉の春は工事と渋滞がメインのよう。これでは来年の春さがしは、神奈川に行くことにしなければ。
香取神宮です。茅葺屋根の本殿で、参道も荘厳でした。佐原市街から近くです。
ハクモクレンがほころびだしたところでした。
境内にある杉の巨木、もっと大きな神木もありました。しばし見とれてしまいます。気温は16℃。ぽかぽかです。
佐原はうなぎが名物。当然それがたべたい。しかしめぼしい店がありません。そこではいったのはバイク用の地図、ツーリングマップルにのっている蕎麦屋の『小堀屋』。創業220年の老舗で昆布入りのそば『黒切そば』が名物とのこと。黒天もりを注文。これは美味しい、おすすめです。1470円。ちなみにふつうのそばは白い更科そばで、こちらもおいしそう。上天そばは1260円。創業の店は歴史のある建物。私はならびにある別館にはいりました。接客も気持ちのよいものでした。
つづいて茨城県の潮来にむかいます。佐原とは県境をはさんで隣りあっています。途中に見えた霞ヶ浦で寄り道。ものすごい広さです。対岸は茫洋とかすんでいます。
潮来の水郷地区です。ろ舟が情緒をもりあげますが、観光客はほとんどいません。佐原は古い町並みがあって、町歩きも楽しめますが、潮来は水路だけ。売り物はアヤメなのですが、今はまだ時期が早くて花の苗さえありません。どこか殺伐としています。
潮来のいたろうも寂しそうです。
ろ舟に乗りませんか、と2度も声をかけられました。男ひとりで船にのって楽しいと思う? そんなわけないでしょう。でも、声をかける相手も私しかいないか。
銚子の犬吠埼まで足をのばします。風が強くなり冷えてきました。
犬吠崎周辺には文学碑がたくさんあります。これは佐藤春夫の歌碑。つい最近読んだ『悲劇週間』の主人公は詩人の堀口大學で、その友人として登場していました。この歌は師であった与謝野鉄幹門下とともにここをたずねて詠んだものとのこと。素直な、若々しい歌でした。
銚子漁港です。奥の船は海上保安庁のもの。釣り人は型のよいメバルを一匹釣り上げていました。今夜は刺身かな?
かもめの群れ。鵜もたくさんいました。鳥が増えた印象。
帰りは雨に降られてしまいました。カッパを着てはしる春の帰り道。気温は13℃。これは昨年9月の北海道とおなじです。北海道恐るべし。
渋滞の車をすり抜けていくと、大型スクーターのタンデムに追いつきました。25くらいのカップルです。彼は後ろについた私を意識して渋滞のなか飛ばします。彼一人なら抜いてしまうところですが、後ろに女の子を乗せているので、無理をして事故を起こさないように、50メートルほど距離をあけてあげます。女の子が怪我をするのは見たくありませんからね。こうすれば彼も無茶をしませんが、ベテランになるとこんなことまで考えているのですよ。
雨は都内にはいるとあがり、痕跡さえなくなってしまいました。

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