安達太良高原EOCへ 雨のなかドライブ

 

 雨と霧のなかmacさんのパビリオンでオフ会

 

 永久ライダーの北野さんの主催するEOC(永久ライダー・オフ・キャンプ)に参加した。会場となったのは福島県のあだたら高原キャンプ場である。当日は朝から雨で、翌日にかけても降水確率が80パーセントだったため、バイクで行くのは辛く、軟弱ながら車ででかけた。

 

 

 6時ころに出発した。いつものとおり高速は使用せずに一般道を北上していったが、栃木県にはいると雨は激しくなった。バイクで走るのはかなり厳しい状況である。ここは国道4号線上、栃木県の小山あたり。

 

  

 

 そして霧まででてきて視界不良である。車で来てよかったと思った瞬間。車なので運転しながら風景を撮影しておいた。ワイパーが邪魔で失礼!

 

 那須の水田にて

 

 宇都宮をすぎて那須にむかっていくと、水田が左右にひろがりだした。その稲の緑が美しく、脇道にはいって写真を撮る。画像にはうまく色が出ていないが、この時期の水田の色は、心にしみるような初々しいものだ。若い植物の命の色。しかし農道に車をとめて撮影していると、何をしているのか、という地元の人の視線が痛かった。

  那須高原をこえて白河にいたり、県道37号線で羽鳥湖にむかう。このまままっすぐ安達太良にいってもつまらないので、あちこち寄り道していくつもりなのだ。観光バスにはさまれて狭い山道をゆっくりと登っていく。雨は弱いが降りつづけていた。

 

 羽鳥湖

 

 雨のなかウォーキングの大会がひらかれていた羽鳥湖を通りぬけていく。ウォーキングの参加者たちは鮮やかなカッパに身をつつんで黙々と足を運んでいたが、雨中でも楽しそうだった。湖畔の道はカーブがつづき、車重の重いセレナはアンダーが強く、うっかりオーバー・スピードでコーナーにはいると、曲がりきれなくなりそうになる。バイクのスピード感覚でカーブに入ってしまう自分がいけないが、ヒヤッとしてしまった。

 

 鶴沼川

 

 羽鳥湖をすぎると鄙びた温泉地の岩瀬湯本となる。横を流れるのは鶴沼川だ。ここは釣れると評判の渓流なので、車をとめて川を見てみると川霧がわいていた。

 国道118号線にはいって会津若松にむかう。途中にある芦ノ牧温泉の峡谷は深くてうつくしく、写真を撮りたかったが車をとめる場所がなかったので、残念ながら通過した。会津若松に北上していくが、この狭くて素朴な住宅街をぬけていく国道の横には、行列ができている店があった。蕎麦屋、ラーメン屋、そしてとんかつ屋である。喜多方のラーメンか、会津の郷土料理を食べたいと思っていたので寄らなかったが、いつか来て食べてみたいと思う。地元の人が並んでいたから本物だろう。

 

 

 さて鶴ヶ城にやってきた。車をとめて歩いていくと大きな堀と石垣が見えてくる。規模の大きな城で観光客も多い。石垣をぬけると、

 

 

 天守閣が見えた。均整の取れたうつくしい城である。しかしコンクリート製の城なので入城はしなかった。入場料の500円も惜しかったので。城内を散策して城をあとにした。

 

 苔むした石垣 会津若松 鶴ヶ城

 

 城から出ていくときにお堀をみると1メーター以上ある鯉が泳いでいた。石垣にもお堀にも歴史がつみかさなっていた。

 城をでると13時でそろそろ昼食をとりたい。きょうは朝から雨で先週の3連休の直後だから、喜多方の有名ラーメン店が空いていてチャンスだと思っていた。しかしこれから喜多方までいっていては時間がかかりすぎてしまう。城の近くに郷土料理店があるのではないかと思ったが、車で走りながら眼につくのはソースカツ丼の看板で、これが名物のようだか、どうもピンと来ない。ホタテ貝で出汁をとった汁物の郷土料理を食べたいと思っていたので、猪苗代湖方向にすすんでいくと、混雑しているラーメン屋があった。喜多方ラーメンとも書いてあったのでここに飛び込んだ。

 

 チャタマラーメンとぎょうざ

 

 会津喜多方ラーメン館、という店だった。駐車場はいっぱいで、店内にはいると順番待ちである。10分以上待って席につき、おすすめだというチャーシューと煮玉子ののった、チャタマラーメン780円とぎょうざ360円をたのんだ。待つほどのこともなく料理は運ばれてきたが、でてきたラーメンは香りがよかった。魚出汁の匂いだが、とんこつとのダブルスープになっているようだ。そして食べてみると美味しい。今流行の魚の風味の香るダブルスープ・ラーメン、めんもチャーシューも煮玉子もじつに神経がいきとどいていている。ここはチェーン店のようだが、そうと思えない本格的な味だった。

 

 霧の猪苗代湖

 

 楽しみにしていた猪苗代湖も霧だった。ほとんど展望がきかず、乳白色の茫洋とした景色がひろがっていておもしろくない。それでも何度も車をとめて写真を撮っていった。

 すすむと野口英世の生家を保存した『野口英世記念館』の前にでたが、生家の上には鋼鉄製の屋根がかけられていた。以前に来たときにはこんなものはなかったが、前回来たのは、よくよく考えてみると高校生のときだろうか。施設も変わるはずである。

 猪苗代湖をはなれて郡山にむかう。山のなかにある八百屋や魚屋をのぞいてキャンプの食材を物色していったりもする。素朴な店と商品があって楽しいが、時間がおしてきてしまった。急いで郡山にでてスーパーで最後の買物をする。バタバタと歩きまわると汗をかいてしまった。さて、キャンプ場にいそごう。

 

 

 オフ会の会場、あだたら高原キャンプ場には17時についた。すでに皆さん先着していて私が最後である。皆さん車だと思っていたが、バイクが多くて驚いてしまう。あの雨のなかをバイクで来るのは辛かったろうと思われたが、時間とコースによってはそうでもなかったそうだ。macさんとやまちゃんが車だったのでよかった。バイクのなかには見慣れないアフリカツインがいて注意をひかれる。見たことのない軍隊のカモフラージュ・カラーのようなカラーリングなので、自分で塗ったものなのかなと思った。
 
 さっそく主催者の北野さんはじめ参加の方にも挨拶をするが、巨大なテント? タープ? があってびっくりしてしまった。これはmacさんのパビリオンという大型タープである。それこそ軍隊で使用するような大型タープで、チャックで前後を締め切ることができ、冬の寒いときや今日のような雨のキャンプに有効とのこと。潮岬の越年キャンプでの使用を考慮して購入されたとのことだが、個人の装備の範疇をこえているものだと思う。じっさいに眼にすると絶句するような大きさであった。

 

 巨大なパビリオン 野戦テントのようだ 

 

 皆さんパビリオンの中で宴会用の料理をつくりつつ、一杯飲み始めている。私もさっそく席をさだめて調理を開始した。まず料理の下ごしらえは野菜を洗うことである。炊事場に行こうとするが、キャンプ場は丈の長い草が生えていて、靴で歩くとぬれてしまう。そこで車であることを利して持参の長靴に履き替えたのは、正解だった。

 

 

 

 車なので持参したファミキャン用のテーブルもだす。足を立てると高くなってしまうので、じかに地面において利用した。まずは乾き物をとりだしてテーブルにだし、調理にかかる。ネギと大葉とミョウガをきざみ、冷奴とカツオの刺身にのせる。これらには生姜醤油をかけた。つづいて玉ねぎをスライスして水にさらし、レタスとパプリカ、きゅうりをカットしてサラダをつくり、その上に真鯛の刺身をもりつけた。これには酢と正油、ごま油と生姜を加えたタレを作り、かけて食べてもらうようにした。

 生ものをカットするだけなので料理はすぐに完了した。車のなかからパーソナル電源(キャンプ用バッテリー)を持ってきて蛍光灯(Pキャンで使用)をつなぎ、日暮れに備えつつビールを飲む。右隣りのともさんはチャーシューと玉子をトロトロと煮ており、左隣りのシンドウ☆ケイイチさん(しんちゃん)は肉を炙っていた。しんちゃんのとなりにははじめてお会いする方がいて、この方がスペシャルカラーのアフリカ・ツインのオーナーだったが、二輪便利帳の主催者のちんさんだった。ちんさんは大人気のHP運営者であることをおくびにもださない、円熟された方だった。肩の力がぬけていて自然体でオフ会を楽しんでおられた。ナスとベーコンを炒めて大根おろしであえた料理をいただいたが、これはサッパリとしていてじつに美味しかった。ちんさんの隣はくっしーさんで、やきとんをご馳走になった。その隣はイトウさんでソーセージと地酒をいただいた。

 macさんの水餃子をいただき、やまちゃんの手製のコーヒー酎、北野さんの後輩のりょうさんの濁り酒をいただいていると盛り上がってきた。

 

  

 日が暮れてもmacさんのランタンと蛍光灯とちんさんのトーチカ・ランプ? が活躍し、ヘッドランプは不用の明るさだった。ちんさんはこのランプのほかにも自作のテーブルや炭おこし送風機のガンブロー、『ちんぷう機』など、じつに工夫を凝らした装備をされていた。そして話題は北海道ツーリングについてである。峠、山、キャンプ場、岬、道楽館に快速旅團、様々なグルメ情報など、つきることがない。ここでしか語り合えない北海道病患者たちの会話であった。

 

  

 様々なことに話題は飛び、宴は盛り上がっていく。イトウさんが熱く語り、真っ直ぐなところをみせ、くっしーさんはいつの間にか乗り換えた隼の話しをする。macさんはチキンのトマトソース煮をくりだし、ともさんのチャーシューと煮玉子も完成し、北野さんは焼き鳥を焼いていたはずだが、焼き手はいつの間にかりょうさんに代わっていた。

 

 

 ともさん持参のウィスキー、ラフロイグをいただく。燻製の香りのするお洒落なウィスキーだ。これは美味しくてロックで2杯いただいた。楽しく盛り上がっていたが、ある方が酔って言動がラフになり、さる方の不興をかった。ラフな行為の直後ではなく、しばらくたってからさる方が怒りだしたので、ある方も意味がわからなかったようだ。すぐにある方に節度が足りなかったですよ、と告げ、イトウさんも真っ直ぐに割ってはいったのでその場をおさまった。

 その後も飲み続けて1時過ぎにお開きとなったが、今回はセレナがあるのでテントも張らず、フルフラットにしたシートに横になり、シュラフを腹にのせて横着に眠った。久々のPキャンであった。

 

 ちんさんのアフリカツイン 様々な工夫が凝らされている 詳しくは二輪便利帳で

 

 翌朝雨はやんでいた。7時に起床してまた寝ようかと思ったが、念のためパビリオンに行ってみると皆さんもう起きている。macさんがスパゲティーをつくり皆さんにふるまっていた。ゆっくりと撤収するが車なので荷物をまとめなくてすむから早い。なにしろテントも張っていないから、あっという間にかたづいて、あとはmacさんのパビリオンの撤収などを手伝った。

 

 岳温泉 岳の湯

 

 撤収が終わると岳温泉の岳の湯へでかけた。料金は300円である。大人気の立ち寄り湯のようだが、湯が熱くて入っていられない。まず最初は体が慣れていなくて一瞬しかつかれず、しばらくして再チャレンジして肩まではいったが、つかっていると今度は汗がとまらなくなってしまう。風呂からあがってコーヒー牛乳を一気飲みして、一息ついた。

 

 成駒のソースカツ丼

 

 風呂のあとは北野さんおすすめのソースカツ丼を食べにいく。店は岳の湯のむかいの『成駒』である。じつはまだ昨夜の宴のダメージがのこっていて胃がすぐれない。皆さんもざるそばが食べたいという方のほうが多かったが、名物とのことで全員がソースカツ丼をえらんだ。しかもロースである。950円。

 そして出てきたソースカツ丼を見ておどろいた。ものすごいボリュームである。フタが持ち上がってしまって、ちゃんと閉まらないほどの盛りのよさである。食べてみても非常に美味しいがとても完食できない。最後まで食べきったのはくっしーさんだけだったような。食べ残してしばし動けないおじさんたちであった。

 食後は流れ解散となった。私はまた高速はつかわずに国道を南下していく。天候は晴れて暑くなった。こうなるとバイクにすればよかったと思うのだが、エアコンを強力に効かせながら走行し、夕方帰宅した。

 

 

 

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