9月9日 エピローグ
礼文島 桃台猫台から元地方向をのぞむ
大洗港が見えてくると、乗客は甲板にあつまって旅の終わりをかみしめる。50過ぎの無骨な顔つきのライダーがむずかしい顔をして港をながめているのは、これを読んでくれているあなたや私とおなじように、彼がロマンチストだからだろう。
根室 車石沖 これから台風がやってくる
船は岸壁に船体をよせた。たまたまとなりで着岸を見ていた女性ライダーが、
「帰ってきて、しまいましたね」と言う。
「…そうですね」と応じたが、たがいに発したことばに、北海道ツーリングへの万感の思いがこめられていた。
開陽台から知床、野付と降りつづけた雨は別海であがった 字が書けないほど冷えている
フェリーは定刻に大洗についた。
2008.03.16