2008年 DR650オーナーズクラブ 秋の蓼科オフ会

 

 蓼科のペンション スノーベルの前にて

 

 DR650・オーナーズクラブの恒例のオフ会が、今年も長野県蓼科のペンション・スノーベルを宿泊地として、2泊3日の日程で開催された。スノーベルのオーナーが林道を案内してくださったり、楽しい宴会などが準備されていたが、私はどうしてもはずせない予定があるため、初日の林道走行だけ日帰りで参加した。

 中央道を使って八王子・甲府・茅野・蓼科というルートで行こうと考えていたのだが、出発しようとすると雨が落ちてきて、そちらの空には雲が多いから、進路を北に転じて関越・上信越道で行くこととした。

 すぐに雨はやんでくれて関越道にのり、上信越道に入る。群馬県から長野県に入り、混雑する軽井沢をぬけて佐久ICで高速をおりた。麦草峠をのぼっていくと八千穂高原はもう紅葉しており、バイクを止めて写真をとりたいほどの色づきだ。カメラ愛好家もたくさんいる。しかし集合時間に遅れそうなので止まらずに走り続け、白駒池にたくさんいるハイカーを横目に見て、麦草峠をこえると、霧が深くてものすごく寒い。秋の山を甘く考えていたと反省しつつ峠をくだり、スノーベルにつくと、皆さんほとんどそろっていた。

 

 おぎのやの釜飯

 

 メンバーの皆さんと久しぶりの再会を喜んで話し込んでいると、なんだかんだと出発が遅くなり、とりあえず手軽に昼食をとることにして、釜飯のおぎのや諏訪店へ行く。900円の釜飯をいただいて林道にむかった。当日参加されたのはカモちんさん、チクンさん、寅さん、初心者さん、しんさん、テキサスさん、それにはじめましてのキミさんとくりさんだった。

 

 王城枝垂栗林道

 

 諏訪湖の西にある王城枝垂栗林道にむかう。ここはしだれ栗森林公園から林道に入っていくのだが、道がわかりにくい。そこをカモちんさんの先導で林道に進入した。林道で飛ばす腕はないので写真をとりつつゆっくりと行くが、ここは信州の林道らしくてとても狭く、路面はバラエティーに富んでいて、砂利や締まった土のほか、泥もあり、一部ヌタっていて通過に気をつかった。

 

 日本中心の碑 日本のヘソ 展望台

 

 林道の後半には日本中心の碑、日本のヘソの展望台がある。ここで休憩したが、この鉄製の展望台は老朽化していて傾いているように感じられ、風で揺れるからスリル満点であった。風景は山また山の連なりだ。

 ヘソから走り出して、少し飛ばしてみることにする。いつもゆっくりと走っているから、林道で前の人について行くのもよかろうと、アクセルをあけて走っていると、突然あらわれた深い轍にはじかれて、道から飛び出してしまった。幸いなことに崖から転落することもなく、転ぶこともなかった。ーー真青になりつつ、道の横の草の中に停止して、誰にも見られる前に林道に復帰するが、危なかった。無理と慣れないことは禁物である。

 林道はすぐに尽きて、つぎは諏訪湖の南の、昨年熊のフンがあった林道、県道442号線、我々だけで『熊フン林道』と呼んでいる林道にむかう。もみじ湖から北上して林道に入っていくと、ものすごいガレガレ林道である。転びそうになったばかりの私は最後尾を慎重に行くが、道に沢が流れていて、デコボコのグチャグチャだ。この林道を必死ですすんでいくと、前方では皆がスタックしていた。

 

 スタック現場でUターン

 

 どうやら林道は行き止まりだったようで、引き返そうとしているようだ。深い轍のある狭い林道で、重たいDR650をUターンさせるのはたいへんだ。しかも密集して止まってしまったからさらにやりにくい。私はひとり離れていたから写真をとったりしていたが、見ていても全力をふりしぼってバイクを動かしているのがわかった。

 この林道は諦めて下るが、熊フン林道ではないようだ。入口には『林道大芝線』と表示されていた。

 

 林道大芝線出口にて談笑

 

 私がマスツーリングに参加するのはここだけである。若いころはずいぶんグループ・ツーリングをしたが、年をとると我儘になって、人にあわせることが嫌になった。しかし団体で千鳥走行をするのも、前走車につづいて次々とコーナーを曲がっていくのも、たまになら楽しいものだ。そして皆さんの手入れの行き届いたバイクを見ると、とてもよい刺激になる。私も掃除だけはマメにやっていて、表面的にはきれいにしているが、オーナーの手で分解整備のされている車両、改良のほどこされているバイクのにじませる雰囲気は、いぶし銀の輝きだ。私もそうしたいところだが、メカは苦手だから無理で、せめていろいろと見た改良ポイントのいくつかでも実践してみようと思うのであった。

 

 スノーベルのバイク置き場 オーナーがテントを張ってくれた

 

 スノーベルにもどって談笑する。昨年礼文島に行った際、カモちんさん推薦のコンブ焼酎を購入し、試してみたが美味しくはなかったと『北海道ツーリング・レポート』に書いた。しかし同じコンブ焼酎でも、カモちんさん推薦の品は、ずっと高級品の、平たいビンに入った、北緯43度にちなんだ43度のアルコール濃度の逸品とのこと。あの安物ではないと指摘を受けたので、レポの訂正をさせていただくことにした。

 HAROさんやBANGKONGさん、ゆーじさんに、はじめましてのすぴさんなどともお話しするが、時間がなくて思うようには会話できず、そろそろ失礼することに。きみさんが出発された後、アロさんとtukiさんが来られたのと入れ違いにスノーベルから走り出す。

 3連休の初日で中央道は混雑していたとのことで、帰路も上信越道・関越道で行くこととし、また麦草峠を越えていく。2000メートルをこえる麦草峠は寒いと覚悟ができていたのだが、下った先の佐久がベラボーに寒い。震えが止まらないほどで、たまらずに上下ともカッパを着て上信越道の軽井沢を通過していくと、気温は10℃と表示されていた。

  稀少で、自分のバイク以外にはほとんど同機種を見ないDR650。同じバイクに乗る方々とお会いするのは楽しいひと時だ。そのなかでも旧型のDR650RSを眼にするのは特別な感慨を持つ。なにしろRSにはここでしか会えないのだ。ゆーじさんと寅さん、今回は参加されていないボヤさんのRSしか自分以外のRSは見たことがなく、静岡のRSオーナーの方からメールをいただいたことがあるから、私が知っているRSは合計で5台ということになる。ほかにも現存し、元気に走っている個体もあるらしいが、いつか出会ってみたいと思う。

 上信越道から関越道に入っていくと気温があがり、交通量も加速度的に増えてきた。カッパを着ているライダーは他にいないが、構うことはない、このまま帰ろう。オフ会はその後も盛況だったそうだ。

 

 

 

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