春爛漫サイクリング 渡良瀬遊水地へ

 

 菜の花の咲く用水路

 

 最近、毎週自転車に乗っている。健康によいし、元々大好きだから、周期的に乗りたくなるのだ。1日に50キロほど走っていたので、長い距離を走行できるのか試してみたくなった。そこで前から気になっていたブレーキレバーのパッドを探しに、ネットでよく見ている、茨城県古河市の『栗田商店』に行くことにした。栗田商店は自転車のクラシックパーツの専門店である。あわせて近くの渡良瀬遊水地を見てこようと計画した。

 

 劣化して破れてしまったブレーキパッド

 

 天候が不安定で風の強い日だった。北上していくと向かい風で走るのが厳しい。本来なら向かい風に逆らってサイクリングするのは嫌いなのだが、これも健康のためと思えば苦にならないし、体力的にダメだと思ったら方向転回して、別のところに行けばよいだけだと考えて、ゆっくり時間をかけてすすんでいった。

 ブレーキセットはカンパニョロ・レコードである。20年以上前にデットストックのパーツを買ったので、その時点からパッドは痛んでいた。それがいよいよ写真の状態になってしまったのだが、このレバーにあうパッド、できればカンパ製が欲しい。そうでなければ代替品でもよいのだが、とにかく現物をあわせてみないことにはセットできるかわからないから、栗田商店で相談するつもりで出かけていった。

 バイクで北海道にむかうときに使う道路を自転車で行く。バイクでは眼につかない細かいものがよく見えて、新鮮である。埼玉県久喜市では用水路に菜の花が咲いていたので休憩をかねて写真をとった。

 埼玉県栗橋町の手前から、茨城県にはいる利根川をわたるまで、道路が高速道路のようになり、歩道もなくて、自転車で走るのは恐くなる。車も飛ばしているので、高架になっている道をはずれ、たまたまあった栗橋駅前を行く旧道にそれて、利根川の橋も歩道を走行した。

 茨城県にはいると向かい風がいちだんと強まり、雨まで降ってくる。歩道橋の下で雨宿りしてやりすごし、風にむかってペダルを踏んでいった。

 

 うれし野のラーメン

 

 古河の町にはいっていくとラーメン専門店がある。昼食時となったのでこの『味のうれし野』という店に入った。かなり大きくて清潔な店舗である。カウンターにすわってメニューを見ると、『薩摩ぼっけラーメン』650円がおすすめとのこと。しかし、1回目に食べると驚き、2回目は不思議、3回目で病みつき、とキャッチコピーがひっかかる。何度も食べないと良さがわからないというものは選ばないことにしているのだが、興味本位で頼んでみた。チャーハンセットの300円付きで。

 でてきたラーメンはこの姿。さっそく『驚く』という味をみてみると、スープがぬるい。豚骨ベースはぬるいほうがにおいが少ないからだろうか。不満である。味はクリーミーな癖のないスープで、オリジナルの工夫したものだが、どうだろうか。海苔の上に辛し味噌がのっているが、これは辛いので、私は撤去してしまった。次に来たらほかの普通のラーメンにしようと思ったが、チャーハンと冷奴は美味しかった。またランチタイムの15時までは、カレー、マーボ丼、チャーシュー丼が100円で食べられるとのこと。これはお得だろう。

 

 古河市にある栗田商店

 

 古河の名物は鮒の甘露煮だそうだ。専門店が何件かあった。そしてレトロな建物の残る、旧街道の風情のある町をすすんで、栗田商店に到着した。駅の近くである。さっそく店主にパッドを相談してみると、色は白しかないが、カンパの新品があるとのこと。あわせてみるとセットできそうなので、これを購入した。ネットで5500円のところ、お店に行くと1割引きなのだが、特別に2割引きで4400円であった。

 

 手に入れた新品のパッド 残念ながらあめ色のものはなかった

 

 栗田商店には莫大な在庫があった。クラシックパーツが眼が回りそうなほどストックされている。ランドナーのテールランプが壊れているので在庫を見せてもらうと、本でしか見たことのないジョス製(何十年も前につぶれてしまったフランスのメーカー)がゴロゴロある。しかし値段もよいので手はださなかった。店主はゆっくり見ていってくださいというが、そんなことをしたらあれこれと欲しくなって誠に危険である。渡良瀬遊水地を見にいくからと辞退すると、地図をだしてくれた。渡良瀬は大きくまわって1周、20キロほどだそうだ。栗田商店は古河市本町1−8−22。店主は人柄のよい方だった。

 

 渡良瀬遊水地

 

 古河の町の西に渡良瀬遊水地はひろがっている。適当にすすんでいくとリンクスというゴルフ場の脇にでた。この奥に遊水地が見える。また男体山などの日光連山も。

 

 鉱毒被害の救済を訴えた田中正造の碑

 

 北にいくと遊水地がひろがっているが、これから20キロも走って1周していると、帰るのが何時になるのかわからない。土手の上のサイクリング・コースを南にすすむと、左手には筑波山も見えた。そして足尾銅山の鉱毒被害の救済を訴えた田中正造の碑もあった。渡良瀬遊水地は鉱毒対策のために生まれたのだと記憶している。

 

 気持ちのよいサイクリング・コース

 

 渡良瀬川沿いの土手の上のサイクリング・コースを今度は追い風におされて快走していく。上の写真は利根川との合流まで1キロの地点だ。この後追い風に乗って飛ばしていったが、埼玉県の上尾市で雨にあい、夕刻に帰宅した。150キロほど走行。自転車で走るのも気持ちがよい。春爛漫のサイクリング。