2012 新潟ツーリング 2日目
国道252号線は通行止め
5時半に起床した。冷えていて寒い。昨夜も寝ていて寒さで眼を覚まし、シュラフに入りなおしたのだが、薄手の寝袋では厳しい気温だった。カップ麺の朝食をとり出発の準備をする。フライ・シートがびしょ濡れで撤収にてこずった。
キャンプ場の前には渓流が流れている。ここは秘境と言えるロケーションだから、釣りのベース・キャンプとして最適だろう。大岩魚がかかるかもしれない。ただしトイレには動物の糞がたまっていて、ゴミは持ち帰りである。展示してあるSLも錆びて朽ちかけていた。
田子倉湖をぬけて会津に行きたかったのだが、国道252号線は県境のトンネルが災害で通行止めとのこと。それならばもっと手前で表示して欲しい。トンネルの高さ制限しか出ていなかったのだ。
福島にはいけなくなってしまい、どうしようもなくて十日町方向に引き返しすことにした。となると気になるのは、昨日行きつけなかった笠置山キャンプ場である。ワイルドな野営場がどんなものなのか見にいこうではないか。
目黒家
走りだすと重文の古民家があると案内がでている。国道からすぐなので立ち寄ると、想像以上に立派な建物がたっていた。こんな山の中にどうしてと思うが、豪雪地帯でも米がとれ、広大な土地を所有する大地主だったそうだ。新潟県に車がはいってきたときに、県庁が新潟1のナンバーをつけ、目黒家が新潟2となったとのこと。新潟平野にも豪農はたくさんいたが、彼らよりも山間の目黒家が豊かだったのだろうか。それとも進取の精神がすぐれていたのか。目黒家は銀行経営なども手がけ、国会議員もつとめたそうだ。
佐藤家からパチリ
先にまた重文の古民家があるとでている。これもついでに見ていくことにしたが、こちらは規模の小さな佐藤家だった。ここは朝早いのにもう公開されている。中を見させてもらうと座敷にあがることもできた。新潟地震の本が置いてあり、東北大震災で忘れがちだが、新潟にも二度の震災があったのだ。2004年と2007年で、新幹線が脱線し、原発が火災を起こして、昨日たずねた山古志は大きな被害をうけた。十日町もそうだったと思いあたった。
佐藤家は3メートルの豪雪に耐えられるように太い柱をつかい、融雪用に池がつくってあった。清水を台所に引き込んであり、水は船とよばれる四角いたらいのようなものにためられ、あふれて流れ去っていく。生活道具も多数展示されているので興味深く見学する。そして維持管理のために100円の寄付をとあり、おさめておいた。ここは隣りの家が管理しているようだった。
笠置山キャンプ場にむかう。昨日は同じところをグルグルまわってしまったので、そうならないように進路をえらぶ。目印は地区の施設、のっとこい、だ。のっとこいの看板があるのでその方向にすすむと、ものすごい山奥だ。県道から折れて舗装林道をしばらくすすむと4・5キロでのっとこいである。
正体不明の動物
のっとこいの先の路上に何かがいた。何なのかわからない。真っ黒で毛むくじゃら、ウサギくらいの大きさで、手はコウモリのようだった。体に泥はついていないから樹上に棲む生き物か。カメラをむけると歯をむいて手をにぎりしめる。離れると虚脱した。怪我をしているのだろうか。そっとしておいたが戻ってくるともういなくなっていた。これはムササビ?
またしても通行止め
そろそろキャンプ場だと思っているとまたしても通行止めだった。この奥に野営場はあり、ここまで来たからには歩いても見にいこうかと思ったが、上り坂なのでやめておいた。しかし昨日は手前で転進しておいて正解だった。
ここでこの先のことを考えた。このまま来た道をもどるのは面白くない。地図を見ると十日町から長野の野沢温泉にぬけられる。野沢温泉には無料で入れる外湯が13もあるとTMーーツーリング・マップルーーに出ているし、その南には奥志賀林道も伸びているから、ここにむかうことにした。
十日町をぬけて長野方向にむかうと栄村に入った。ここは昨年の震災の際にに地震の被害を受けたところだ。東北ばかりが取り上げられるがここも大きな痛手を受けたのである。走っていくと道路の補修工事が多い。地震の復旧工事のようだった。
野沢温泉 大湯
野沢温泉についた。狭い温泉街にバイクを停めておくスペースはないので、有料駐車場に入れたが、二輪は2時間で100円だった。駐車場の人に13ある外湯のどれがよいのかと尋ねると、大湯が一番人気とのこと。そこで大湯にむかうことにした。
大湯の風呂
昭和レトロな温泉街を歩いてゆく。温泉街は狭いのでどこにいくにもすぐである。大湯は凝った作りの建物だった。さっそく湯に入ってみると、熱い。しかし慣れればなんとかつかっていられる温度であった。
大湯の前にはバイクが1台とまっていて、ライダーがひとり入浴していた。マナー違反だが、ここは無理に停めれば停車できなくもない。私はやらないが。
つづいてTMに名前の出ている真の湯にむかう。しかしここは誰も入っていなかったため、かけ流しの高温の湯が浴槽を満たしていて、手を入れることもできない。後から来た地元の方が、いっしょに水をいれて湯もみをし、冷まそうと言ってくれたが、低温だという熊の手洗い湯に転進することにした。
湯を三つ梯子すると、汗が引かないほど温まった。いささか湯あたりした感じである。温泉街をぶらぶらと歩いていると十割蕎麦の店がある。メニューはざる蕎麦しかないと言う。これはいさぎよい。ここに入ってみることにした。
ざる蕎麦大盛り 漬物などはサービス
ぼくち蕎麦かごや、という店だった。蕎麦は最近食べたなかでいちばん美味しく、漬物と煮物はサービス。接客も気持ちが良く、ここは大当たりだった。
駐車場にもどるとちょうど2時間たっていた。時間的に奥志賀林道に行くのは無理となったので、長野方向に南下していくが、国道をなるべく利用して菅平から高速にのろうと思って走ってゆく。
小布施
国道292号線から403号線とつないで南進すると、観光客で賑わっている宿場町に出た。小布施の町だ。せっかくなので裏通りにバイクを停めて町を散策してみることにした。造り酒屋に和菓子、雑貨店など。楽しい散歩となった。
その後菅平まで国道を走る根気がなくなり、ずっと手前から高速を利用して帰宅した。