2016年トランポでゆく北海道ツーリングの7日目

 

 別海ふれあいキャンプ場

2 再び管理人 

 尾岱沼の南から道道363号線に入って別海にむかう。牧場の中を走りぬけてゆくルートだ。弱い雨は降りつづけている。分岐が2・3ヵ所あったが、道路案内にしたがって別海の町にもどってきた。カッパを着てから15分ほどだった。

 昼食がまだなのでスーパー・フクハラの近くにあるラーメン屋をのぞくと店は閉まっている。他には焼肉店しかないが、離れているので見にゆかなかった。車に乗り換えてからセイコマにでもゆこうと考えて、13時25分にキャンプ場にもどった。

 管理人の姿は見えない。あらかじめ汲んでおいてバケツの水でバイクの汚れを流していると、ルールで利用者を仕切りたがる管理人がやってきた。見ていたのかバケツの水にはふれない。連泊する?、と聞いてくる。しないと言ったし、チェック・アウトもしているのにだ。管理人はどこに行ってきたのかと聞く。フレンドリーな感じだ。しかしそれは前振りで、途中から無料の駐車場に車をおいて外出するのはまずいと言いだした。お金をもらえばよいが、無料駐車場だけ利用するのはおかしいでしょうと。あなたがそれでいいと言ったんだし、そもそも無料の駐車場に車をとめて何が悪いのかと答えると、支配人にもいけないと言われてしまった、と言う。町営のキャンプ場に支配人という立場の人間がいるのか怪しいものだ。それにここは公園に隣接しているから、公園に来た人はこの駐車場に車をおくことができる。だから無料駐車場なのだ。キャンプ場の管理人が無料駐車場の利用に口出しするのは越権行為ではないのか。管理人は今日はよいが次からはダメだと言うが、もう相手にしなかった。もうこのキャンプ場には二度と来ないのだから。少なくとも管理人がまともな者に交代しないかぎりは(これは2016年9月の記録である。管理人は交替し運営は改善されているかもしれない)。

 バイクをハイエースに積んで着替えた。ライダーやサイクリストのサイトを見ると、BMW・GSの人が朝からのこっている。バイクとテントのチェックをくりかえしているようだ。中年の男性だったが決して目をあわせない人だった。今夜からはげしい雨がふる予報だから今からここで備えているのだろうか。バイク・サイトには大型の天幕があるから避難所になるのかもしれないが、貧乏性の私には考えられない時間の使い方だった。

 

 セイコマで昼食

 

3 根室半島から釧路へ

 2時22分にキャンプ場をでた。セイコマにいって昼食とする。ホット・シェフ・コーナーのやきとり丼がたべたかったが在庫はない。ホット・シェフは弁当屋のように注文すればその場で作ってもらえるのかと思ったら、そうではなかった。工場で製作した弁当を保温しているのだ。しかたがないのでチンジャオロースー丼500円と、たべてみたかった冷たいカップそば148円をえらんだ。

 ホット・シェフの弁当は熱々ではない。レンジをかければより美味しいと思うが、セイコマではそのまま売っていた。カップそばはチープな味。チンジャオロースー丼はふつうだった。これでは足りなくて100円コーナーから塩焼きそば108円を買いたした。

 食後にこれからどこにゆこうかと考えた。明日にかけて雨の予報だ。網走の道の駅は街に近いから、そこにPキャンして網走で飲むか。それとも雨天のためのプランがある十勝に近づいておくのか。さっきまで行こうとしていた根室半島の東端の納沙布岬にするか。答えはすぐにでた。納沙布岬だ。車でバイクのツーリングのつづきをするのである。

 国道243号線で厚床にむかう。一昨日も花咲港へと走ったルートだ。雨は止んで晴れてきた。厚床から国道44号線にはいって根室にむかうとエゾリスが草むらからでてきた。路肩に立ち止まっている。急ブレーキをかけながら、飛び出してくるなよ、と思うと、リスはUターンして繁みにもどっていった。

 晴れてきたので道の駅でバイクをおろして走ろうかと考える。しかし今夜から大雨だとNHKラジオが言っているからやめておく。また降られるかもしれないし、時間のロスにもなるからである。

 春国岱や温根沼で写真をとりながらすすむ。根室には16時についた。この先は根室半島の南側の道で納沙布岬にゆくことにする。歯舞につくと人家がたくさんある。以前に来たときには建物はほとんどない印象だったので、記憶はあてにならないものだと思った。

 

 納沙布岬 

 

 牧草地が広がり風車がたつところで写真をとりながらすすむと納沙布岬にいたった。北方領土が見えているが寒い。最東端の碑の前に車をとめて周囲をあるく。灯台が見えたのでいってみた。

 サンマ丼で有名な鈴木食堂がある。ここはライダー・ハウスもやっていて、折りしも4人のライダーが食事中で丼をもっているから、サンマ丼を食べているのだろう。バイクは大型車が2台と250のふたり組だ。ライダー・ハウスは1泊600円と書いてあった。

 鈴木食堂のならびの食堂の入口にカニの生け簀がり、花咲ガニがたくさんいた。店の中を見ると鉄砲汁600円の短冊が目につくが、腹はいっぱいだ。カニを見ていると店の人が客とやってきた。店の方は注文をもらえれば、明日の朝の発送直前に茹でて送ると言っている。以前に大八食堂でいっしょになった人が、茹でたてのカニがたべたいと言って待っていたことを思い出す。先日のカニがイマイチだったのは茹でてから時間がたったせいだろうか。いずれにしても次はここで花咲ガニをたべることにした。

 

  北方領土のモニュメント

 

 灯台の反対方向には北方領土館があるがもう閉まっていた。その横には巨大なアーチ型のモニュメントがあり、前で火が燃えている。北方領土がかえってくる日がくるだろうか。

 サンマ丼をたべていた大型バイクのふたりが出発してゆく。てっきり4人ともライハに泊まるものと思っていたら、今夜の宿泊者はふたりのようだ。納沙布岬を5時すぎに出る。明日は1日はげしい雨の予報だから、雨天のプランにうつることになる。目的地は十勝なので、今夜のうちにできるだけ近づいておきたいと考えていた。

 

 根室半島の北部

 

 納沙布岬からの帰路は根室半島の北側の道をゆくことにした。半島の北は南とちがってなにもない。低い潅木が生えている原生花園や牧場がつづくばかりで、最果て感が感じられる風景に出会うと写真をとっていった。

 根室に近づくと民家がふえてくる。貧しげな家屋も目につくが、根室はこの地域の拠点なので建物がたちならんでいる。走っていると『みなと湯』という銭湯があったのだここに入ることにした。

 どこかで風呂に入りたいと思っていたのでみなと湯に出会えてよかった。準天然温泉と看板にあり駐車場はいっぱいだ。料金は440円で石けんとシャンプーはなく、持参したものを使用した。

 

 根室のみなと湯

 

 体をながして湯船につかるが、ここは精悍な体つきの男がおおい。都会ではあまり見ない野生的な男性たちだ。実業についている人が多いのだろう。金融や不動産、リースにサービスといった虚業の者は少数派なのだろうと思われた。刺青の男もいた。30代と40代のふたりだ。彼らは目をふせている。私も視線があわないようにした。サウナは満員で入れない。みなと湯は盛業だった。

 国道44号線で釧路をめざす。夜に移動ができるのもトランポの強みだ。まわりに何もないところをゆくルートで交通量もほとんどない。70キロから80キロで走り、先が暗いとライトをハイビームにしてゆく。60キロではしる車に追いつくとぬき、逆にものすごい速度で迫ってくる血の気のおおい輩は先にいかせた。鹿注意の看板が気になって80キロ以上だせない。じっさいに対向車線のリスの事故を目撃した。

 釧路の街にはいるとトライアルというスーパーがあった。ここでミネラル・ウォーターと牛バラ・カルビを格安で手に入れた。

 国道44号線から国道38号線にはいる。今夜のPキャン地は道の駅しらぬか恋問に決めた。ガスは都市部が安いから釧路で給油をしたいと思っていると出光のGSがあった。燃費は11,07K/Lと11キロをオーバーした。単価は117円。ここで大粒の雨がふりだした。

 ビールを買って道の駅にゆくだけとなったがコンビニがない。道の駅が見えてきてしまったが、隣りにローソンがあり、ここでサッポロ・クラシックを買ったのは21時20分だった。このローソンにはゴミ箱がない。なければ利用しないことにしているのだが、道の駅についてしまったので仕方なくつかった。道の駅が隣りにあればゴミの処理がたいへんなのだろうが、それだけ売り上げがのびる恩恵に浴している思うのだが、いかがか。

 

 今宵の食卓

 

 雨ははげしくなっている。道の駅に車をとめ、車内で肉を焼いて酒をのむ。いつものように実においしい。食後は大雨で誰もいないので、道の駅の水道で食器をあらわせてもらった。利用者がいればしないことだ。

 パラリンピックがはじまったとラジオで言っている。冷えてきた。昨夜も寝ていて寒かったから、シュラフの上に毛布をかけて横になった。これで朝までぐっすりと眠れた。

                               バイクの走行距離 251キロ  車の走行距離 242キロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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