仏典をよむ 4 大乗の教え(下) 中村元 岩波文庫 2001年 1800円+税
NHKのラジオ仏教講座をまとめた全四巻の最終巻。第三巻につづいて大乗仏教について解説している。
大乗仏教が展開してゆくと、現世は汚れたところであると考えて、彼岸の世界に浄土を求める思想がでてきた。それが浄土信仰で、阿弥陀経、大無量寿経、観無量寿経の、浄土三部経について説明する。なお日本では浄土宗の信徒がいちばん多いそうだ。
つづいて華厳経、難解な楞伽経(りょうがきょう)、国王のなすべきことを説く金光明経、そして真言密教の理趣経でおわる。
作者は漢文だけでなく、サンスクリットの原文も参照しているのでとてるわかりやすいし、説得力のある作品となっている。そして解説されたお経についてさらに詳しく勉強したい気持ちになった。作者は膨大な著書をだしているので、調べて読んでみたい。