灰夜  新宿鮫Z  大沢在昌  光文社  2001年  838プラス税  

 人気のシリーズだ。とはいえ新宿鮫シリーズを読んだのは初めて。
 主人公はいわずと知れた新宿鮫こと、鮫島。国家公務員試験、上級一種合格のエリートながら階段を踏みはずし、現場に沈んだ鮫が、警察大学校時代の同期の葬儀のため、地方都市に赴いて事件はおこる。
 ストーリーは一貫して地方都市で展開し、新宿はでてこない。同期の死の真相に迫る鮫島。複雑でもつれた展開から、タフな鮫が活躍する。
 ひとときも緩まないストーリー、たしかな人間造詣、丁寧に書かれた文章で好感がもてる。本書が週刊誌に掲載されたあとで、加筆訂正されているからだろう、完成度が高い。
 ハードボイルド、エンターテイメントとして大人が楽しめる、男くさい小説。ほかの作品も読みたくなった。











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