本を旅する 出久根達郎 河出書房新社 2006年 1600円+税
1冊の本から別の本へと旅をするように発想をつなげていくエッセイ。
タイトルにひかれて手にとった。放浪のページで文学の旅と称する読書日記を作っているものとしては、読まぬわけにはまいらぬタイトルだ。旅の場面が綴られているのかと思ったらさにあらず。次から次へと本によって喚起された思い、記憶、雑学を230冊分、小話のようにならべた書である。
与謝野晶子や漱石、鴎外や露伴などの文豪の話題、作者専門の古書に関することなど、やはり古い話が主である。
どんどん読める軽いエッセイ。