少年時代  トルストイ  新潮社  文庫

 数年前に古本屋で50円で買い,死蔵していたもの。いっしょに青年時代も同値で購入した。目録を見ると幼年時代という作品もある。
 郊外で暮らしていたトルストイが、母の死をきっかけに祖母の住むモスクワにでてくる場面から物語は始まる。年齢的に12才くらいだろうか。
 無邪気な年頃から思春期にはいっていく様が主題である。したがって年をとってから読むと、青臭くてむずがゆい。
 平和や愛や友情、幸福についてのまじめな議論。厳格な家庭教師に反逆したり、優秀な兄のことにふれたり、メイドへの幼い思慕などのエピソードが続く。
 トルストイの体験的な,いわば私小説だと思われる。大学受験にむかう15才で終わり、青年時代に移るが、読む時期をえらぶ一冊。中学一年生くらいで読むのがよいと思う。

 

 

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