EOC 花見の宴 福島県天神岬

 

昨年の11月に続いて永久ライダーの北野さん主催のオフ会、EOC(永久ライダー・オフ・キャンプ)に参加しました。
オフ会が開かれる福島県天神岬の前に、まず立ち寄ったのは福島県三春町の『滝桜』です。たいへんな巨木ですが、残念ながらまだ開花していませんでした。それでも観光客でいっぱいです。パックのツアー客がほとんどですが、バイクは私ひとり。年配の人が多いです。しかしここは二輪の駐車料金が200円かかり、そのほかに自動二輪の協力金というものを300円とられました。バイクをとめて500円は高すぎます。係員の態度もいまひとつ。どうもスッキリしない後味がのこりました。
都内はすでに桜は散っていますが、宇都宮あたりから桜が目につきだして、那須では満開でした。そのさきは、気温8℃! 桜も梅も咲いていません。さすがにみちのく、真冬用のグローブにかえて走りますが、寒すぎます。
福島市の花見公園というところも桜や梅などが一斉に咲く名所とのことですが、これでは期待できないと判断し、E0Cのひらかれる天神岬にむかうことにしました。
山越えで太平洋にむかいますが、とてつもなく冷涼です。はっきり言えば寒冷で、走っていて辛いほど。天神岬の温泉につからなければたまらんと、先を急ぎます。
途中でメモをつけようとするとボールペンが書けません。インクはまだある三菱製細字用が。しかたなくコンビニで買いますが、帰宅すると三菱復活。どうやら低温のため、インクが出なくなっていたようです。こんなことははじめて。寒すぎる。
海にちかづくと桜が咲いていました。ここは夜の森駅前、7分咲きです。夜の森とはまた詩的な地名です。どんな由来があるのでしょうか。
6号線にでて、富岡町のスーパーで買物をして店をでると、荷物を満載したゼファーがとまっています。このバイクは北野さんの愛機。店にもどって北のサムライ、北野さんと5ヵ月ぶりの再会です。
2台で天神岬にむかいます。キャンプ場にはすでに高橋さんが先着されていました。冷え込んでいて、強風の吹くなか、さっそくテントを設営し、宴会の用意を開始します。その間に夕張の快速旅團の團長さん、やまちゃん、ロストさんが到着されました。私は團長さんと温泉に。料金は500円。非常に泉質のよい湯でした。芯から温まりましたが、外にでると急速冷凍。寒いー。
2005年北海道ツーリングでは、支笏湖のキャンプ場でチョイノリに乗ったライダーに、もしも快速旅團に行ったら、チョイノリの奴は元気にやっていた、と團長さんに伝えてくれとたのまれました。そのあと旅團によることはできなかったのですが、数ヶ月を経て、チョイノリ氏の伝言を團長さんに伝えました。ああ、若い人ですよね、と團長さんはうなずいていました。
温泉にはいっているあいだにMakishoさんが着かれていました。日の暮れる前、皆さん飲み始めています。私も炭をおこし、まずは目刺とシシャモを炙ります。アジはMakishoさん持参の開き。
シェフ高橋さんは今回水餃子をつくってくださいました。宇都宮の有名店の品だそうです。宅急便で送っておいてくださった、樫の薪で湯を沸かし、ぎょうざをゆでます。火が通り、ぎょうざのかわがモチモチしているところを引き上げます。ゆですぎるとかわが軟らかくなり、よろしくないといいながら、めまぐるしくぎょうざをゆでつづけますが、ぎょうざは一体いくつあったのでしょうか? 7・80個?
日が暮れてガンガンと盛り上がります。ヤスさんが登場し、明日仕事のMakishoさんは残念ながら去っていかれました。スーパーは近くに一軒しかないため、皆おなじ肉を買ってきています。牛と豚の焼肉。焼くのは私、焼肉奉行になっておりました。ヤスさんは豚バラを串にさしていきます。まめな方です。福島では焼き鳥と言えば豚肉なのだそうです。これまた塩をかけて炙ります。北野さんが持参のエビも炙れば美味。酒が進みます。
これは團長さんのテーブル。三脚にランタンをつるし、新製品を試しておられたようです。お顔が切れてしまって失礼。左の足はロストさん。團長さんには気になっていることをお聞きしました。北海道の林道で熊に会うかどうか。ほぼ、会わないとのこと。安心しましたが、釣りは危ないとのことでした。團長さんは風邪気味とのことで早めにお休みになりました。
しかし、趣味でバイクに乗っている大人の男は少ないでしょう。それも社会人で、家族を持っていたらなおさらです。その少ないライダーの中で、キャンプと北海道ツーリングが大好きだという人間は、どのくらい存在するのでしょうか。低温の福島県の天神岬で野営して、夜空のしたで酒を飲むのが好きな物好きは、どれほどいるというのでしょうか。ここでしか成立しない会話はたくさんあります。北海道の地名やキャンプ場の名前があがれば、エンドレスで盛り上がれます。ここにこないと、この対話はできませんし、北のサムライにも会えないのです。
いよいよ酔ってきました。北野さんは、俺は正月から変わった、を連発しています。ヨッパライダーではなく、ジェントルマンだ、と。ダンディでエロカッコイイ、とも。エンドレストークも全開。エロトークもすこし。ついにはイスに座っていられなくなり、地面に腰をおろしますが、上体が揺れて、顔がたき火につっこみそうです。やまちゃんとヤスさんが左右で北野さんを支えています。しかしついに大転倒。危ないところでした。
このままではまた転んでしまいそうなので、ヤスさんが北野さんを、一緒に寝ましょうよ、とテントに連れて行きます。そんなに俺と寝たいのか、と北野さん。そうですよ、寝ましょう、寝ちゃいましょうと、ヤスさんが北野さんをテントのシュラフになかに誘導します。そんなにか、そうなのか、と北野さん。でも俺は男は嫌いだぞ、モーホーじゃないぞ、と。そのままふたりでお休みになりましたが、しばらくテントのなかで北野さんがヤスさんにじゃれついていました。
その後も高橋さんとやまちゃんと飲み続けますが、たき火をガンガン焚いても足のつま先が冷たいし、寒い。気温は3℃くらいか? 12時ころにおひらきとなりましたが、最後に高橋さんが北野さんの荷物を片づけていました。ラジオなどをシートに丁寧につつんで。
翌朝起きると雨。ザーザーと音をたててふっています。気温は3℃から5℃くらいか。しかし8時くらいには雨はあがりました。北野さんのラジオなどは、高橋さんの処置で雨に濡れずにすみました。しかしこの低温でも、皆さん平然と就寝しています。装備と経験がちがうのは歴然。正に百戦錬磨?
昨夜早寝して、ヤスさんに添い寝してもらった北野さん、やまちゃんとも元気で朝から焼肉です。北野さん、朝起きたらとなりにヤスさんが寝ていて、びっくりしたとか、しないとか。
ロストさんはハムエッグをふるまって下さいました。トーストとバターロールも焼いてくれます。後方の背の高いテントは、ヤスさんのワカサギ釣り用シェルター。
ロストさんのハムエッグをいただいていると、高橋さんがレギュラーコーヒーを取り出しました。渦巻状になっている、携帯レギュラーコーヒー・ドリップに、フィルターをつけてコーヒーを淹れていきます。こんなものまで持参? と驚いていると、コーヒーを皆に配り、スパゲティーを取り出します。もう食べられないですよ、と申し上げますが、持ってきたものは食べてもらわないと、と調理開始です。オリーブオイルを! ビンからフライパンに注ぎ、タカの爪とニンニクスライス、ほかにもいろいろいれて火にかけます。オリーブオイルと香辛料のよい香りが漂ってきました。たらこを5腹ほど取り出してかわを丁寧にとりさります。その間にスパゲティーをゆでますが、湯の中に塩をひとつまみ入れることを忘れません。フライパンのオリーブオイルの中へバターを落とし込み、胡椒もちらり。スパゲティーをアルデンテで引き上げて、たらことオイルで合え、皆に配ってから仕上げに上から海苔をパラリ。私もいただきましたが、キャンプ場の料理とは思えない、複雑で奥行きの深い味です。もう、ただただ、シェフに脱帽。
天神岬の桜です。8分咲きでしょうか。花見客があつまってきています。團長さんが出発され、私も所要があるため、先に失礼しました。皆さんは温泉につかったようです。
参加の皆さんお世話になりました。シェフ高橋さん、後片付けをお手伝いできずすいませんでした。
EOCは7月に裏磐梯で、また8月16日に美流渡で開催されるようです。できれば参加したいですが、まだ予定は不明。
単騎、常磐道を南下していくと、またまたとてつもなく寒い。中郷SAで休んでいると雨が降り出しました。カッパをつけて南進再開。水戸まで桜が見ごろでした。埼玉まで行けば季節が変わったように気温が上昇します。しかし、帰宅して風呂にはいってようやく体が解凍されました。EOCらしい、過酷、硬派なキャンプは終わりました。強烈な印象を残して。
追記。このあと家族サービスで外食にでました。どこにいきたいのかたずねると、気になっていたイタリアンレストランにいきたいと、家内が言います。あそこは高そうだなと思いますが、自分だけ楽しんできたので、そんなことを思っているとはおくびにもださず、家族と出かけました。そのレストランで注文したのはピザやリゾット、スパゲティーなど。リゾットはウェイターが眼の前でとりわけ、デザートはワゴンで運んできます。2種のパスタをとりましたが、正直言って高橋さんの料理のほうが美味かったです。

トップ・ページへ          BACK