奥鬼怒林道ツーリング

 

 福島県安ヶ森林道

 

 11月はじめの日曜日に、栃木県と福島県の県境をつなぐ林道ツーリングにでかけた。三連休の真中の日なので、昨日のうちに遊びに行く人は出かけてしまい、混まないだろうと思っていたら甘かった。東北自動車道はずっとノロノロ運転の連続で、世界同時不況や株価の暴落などまったく関係のない人出である。日本の国の懐の深さに感心しつつ、車の列をすりぬけて、鹿沼ICで高速をおりた。

 

 日光例幣使街道

 

 東北道を宇都宮までいき、日光宇都宮道路で今市まで走るよりも、鹿沼から例幣使街道をいくほうが直線的だし、無料なので、私はいつもこのルートをとることにしている。風情のある、細い杉並木をすすむと今市の手前から大渋滞である。国道への合流点が混雑しているのだ。並んでいる車には悪いが、バイクの機動力を生かして渋滞を一気にパスし、今市の町にはいっていった。

 

 今市のたまり漬けの店

 

 今市ではかならず立ち寄る店がある。日光宇都宮道路の今市ICをおりた先、国道119号線との交差点にあるたまり漬け店である。この店のらっきょうのファンなのだが、今日はシソの実のたまり漬けも購入した。ここは大人気の店なのだが、いつもより買い物客が少ないと感じたのは、不況のせい、庶民の生活防衛本能のなせる技だろうか。

 鬼怒川温泉から山奥にはいった栗山村、川俣湖周辺は林道ツーリングや渓流釣り、キャンプなどで何度も訪れた土地である。楽しかったことも、赦せないこともあった場所だ。そんな馴染みのある林道を久しぶりに走りにきたのだ。

 

 またぎの里の熊丼

 

 鬼怒川温泉から川俣湖にむかう。湖にかかる川俣大橋から林道に入るのだが、その前に早目の昼食をとることにした。川俣湖の先にある、ここも何度も利用したことのある、またぎの里で熊カツ丼にしようと思っていたら、そのメニューはなくなっていて、熊丼1200円を注文する。ここは熊、鹿、岩魚、スズメ、サンショウウオ(ヤモリのような小型の種)などの串焼きが名物で、観光客に人気の店だ。7・8年前は美味しかったのだが、熊肉はかたいし、味が落ちたと思う。カツ丼も手間がかかるからやめてしまったのだろう。

 

 川俣湖林道

 

 川俣湖にもどり川俣湖林道にはいる。ここは川俣湖畔を行く林道で、走りやすいのだが、雨が降ったばかりなのか水たまりが多く、ぬかるんでいるところも多数あった。この林道がこんなにぬれているのははじめてで神経をつかった。

 ーー何年も前にこのエリアで渓流釣りをはじめて、山女も岩魚もここで初めて釣ったのだ。思い出の地なのだが、ここの川俣湖漁協は日本中で最低の漁協だ。川俣湖の橋のたもとにあるレストハウスの老人が、とんでもない野人で、釣り人とのトラブルがたえないのだが、私もちよっとした言葉の行き違いから口汚く罵られて、ものすごく不快な思いをさせられた。漁協の監視員でこれほど無礼な人間に会ったことがないが、後日漁協の理事長に電話で抗議をすると、釣り券の大半を売り上げているから立派な人間だと放言する始末だった。釣り券を売り上げていれば、釣り人といくら揉めても、何を言ってもどうでもいいというわけだ。理事長からしてこのレベルで、釣り人を馬鹿にするにもほどがあるから、川俣湖漁協管轄の地で釣りをすることはやめてしまった。橋や林道に釣り人への無礼な注意書きがまだ残っていたが、川俣湖漁協の人間に前進はないようだ。

 川俣湖林道をすすむと分岐があらわれる。右が本線で、左に直線気味に進むのは無砂谷(むしゃだに)にいたる林道だ。無砂谷とこの先にある馬坂沢(うまさかざわ)は名高い沢だった。伝説的な釣り場だったが、今は荒れて魚影は少ない。森林伐採の影響で土砂が流出し、沢に流れ込んで川床も上がってしまっているが、奥まで歩けば、幽玄の世界がひろがる。無砂谷につづく林道は7・8年前には陥没していたが、修理しただろうか。もう釣りをすることもないから、確かめずに本線を進んだ。

 当日はバイク、車とも多かった。この林道を走ると、いつも1・2台の車かバイクにしか会わないが、バイクは10台以上、車も10台ほどいた。ジープを連ねてノロノロと走るグループもいて、普通車でも走れる道だから、そんなに慎重にならなくてもいいのにと思ったりした。

 

 川俣桧枝岐林道は通行止め

 

 馬坂沢に沿って福島県の桧枝岐にぬける、川俣桧枝岐林道を走ろうと思っていたのだが、通行止めとなっていた。写真に写っているセロー氏とほかに3台のバイクがこの先に進入して行ったから、あるいは通過できるのかもしれない。ここは7・8年前に土砂崩れで通行止めとなっていたが、それがそのままなのだろうか。それとも別のところが崩れたのか。私は無理せずこの先の田代山林道に転進することにした。

 

 田代山林道

 

 馬坂林道をすすみ、舗装路に出たところを左に行くと、田代山林道である。この道はフラットで整地してあり、舗装直前という感じだった。北海道のジャリダートのようで非常に走りやすいが、今のうちに行かないとアスファルトの道路になってしまうだろう。

 

 田代山林道にて

 

 田代山林道をのぼっていくと眺望がひろがる。山々のつらなりが遥彼方まで見えて、思わずバイクを止めた。栃木県側の景色はよく、道も整備されているが、田代山峠をこえて福島県側にはいると林道は本来の狭くて凹凸のある道となる。福島側は舗装する気持ちもないようで、それがオフローダーの私としては嬉しかった。

 

 田代山林道 福島県側

 

 田代山林道を福島県舘岩村に下っていくと秋の色が濃くなってくる。木々の色づき、枯葉の積もり、空の色に晩秋を感じつつ山をおりていった。

 

 安ヶ森林道 上部

 

舘岩村ですぐにターンして、鱒沢沿いを走る安ヶ森林道で栃木県にもどっていく。はじめはおだやかな走りやすい林道だが、しだいに荒れて、標高が高くなると砂地の道となる。フロントとリヤのタイヤが流れて面白いが、バイクは汚れてドロドロだ。

 峠をこえると舗装路となる。平家の里、湯西川温泉に下っていき、どこかで温泉につかって行きたいが、大混雑していてその気になれずに走っていく。川治、鬼怒川も通りすぎてしまい、また日光例幣使街道で鹿沼にもどり、東北道にのった。

 東北道に入ったところから混雑しているから、もっと手前から渋滞していたのだろう。車の列のあいだをすりぬけていくと、だんだんバイクが集まってくる。10台ほどの団体となってすりぬけを続けるが、それに疲れてしまい、寄りたい店もあるので埼玉県に入った地点の羽生ICで高速をおりた。

 

 ラーメンハウスのジャンボ餃子

 

 羽生で(田山花袋の田舎教師の舞台である)国道122号線にはいって南下し、騎西町にいたる。ここにお気に入りのラーメン店、ラーメンハウスがあるのだ。味の濃い、辛いくらいの味噌ラーメンと、ジャンボ餃子が美味しいのだが、昼の1時間と夕方2時間くらいしか営業しないし、土日でも休んでいることが多い、不安定な店なのだ。訪ねてみてもやっていないことが多いから、営業していないときは、この先の菖蒲町にある佐野ラーメンの『榮ラーメン』ーー122号線から県道12号線に左折するとすぐに看板がでているーー、そして122号線を南下しつつづけたすぐ先の『めんじゃらけ』ーーセブンイレブンのとなりで塩ラーメンが美味しいーーをおさえとして行かねばならない。

 

 味噌ラーメン 辛いくらい濃い味

 

 騎西町の中心、ガストのある交差点をすぎ、しばらく行くと左手にラーメンハウスはある。営業していればわかるが、していなければ明りがなくて、気づかずに通過してしまう、民家に見えるような店舗だ。となりは鴨つけ蕎麦の店である。当日は幸い営業していたので、さっそく味噌ラーメンとジャンボ餃子を注文した。ジャンボ餃子は大きくて、食べきれずに半分おみやとする。さらに2人前焼いてもらって土産とした。

 騎西町から南は新しいバイパスができていた。上記の『榮ラーメン』と『めんじゃらけ』は旧道を行かないとならないのでご注意を。両方とも人気店で調べれば住所などすぐにわかると思うが、『めんじゃらけ』は休日は昼過ぎには完売してしまうことが多い。またラーメンハウスは無名であり、行ってもやっていないことのほうが多いから、試すのならそのつもりでどうぞ。

 

 

 

 

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