2019北海道トランポ林道ツーリング10日目

 

 フェリーのデッキでカップめんの朝食

 

 5時25分に起床した。ベットをでてロビーにメモの整理をしにゆく。ロビーは明かりが落ちていて暗いので、売店の前のソファで書きものをした。テレビでは今夜台風が関東地方にやってくると伝えている。新潟沖の日本海はおだやかに晴れていて、そんな気配はまったくない。デッキにでてカップめんの朝食をとった。

 朝風呂につかってロビーで新聞を読む。テレビでは台風情報を伝えつづけていた。ベットにもどって旅の記録や写真を見直すと、ルートなどですでに忘れているところがあった。今回のツーリングは林道ばかりでなく、美術館や動物園にいってよかったと思う。旅に変化をつけることができたからだ。

 下船は9時の予定がおくれて9時20分からとなり、キャンピングカーやハイエースは最後にまわされて、9時30分にフェリーからおりた。この時間では昼食には早いので、来るときにも断念した、新潟で人気だと言う万代シティバスセンターにある、立ち食い蕎麦屋の黄色いカレーはあきらめることにした(興味のある方は『新潟・万代シティバスセンターのカレー』をどうぞ)。

 高速代を節約するために国道をゆく。新潟市街は混んでいてなかなかすすまない。車が流れだしたのは三条あたりからだった。旅のはじまりで新潟にむかっていたときに、帰りのことをしきりに考えてしまったことを思い出す。ツーリングが終わってしまったさみしさと、無事に帰ってきた安堵の心でここをもどってゆくのだろうと想像したのだが、そのとおりの気持ちでハイエースを走らせた。

 毎度ゆきたいと思っている、燕市のラーメン店の杭州飯店はこの時期に夏休みをとっているから利用できない(興味のある方は『杭州飯店の訪問記』をどうぞ)。となると去年もいった十日町の蕎麦屋の小嶋屋か、テレビ・ドラマの孤独のグルメに登場した、十日町の山の中にあるドライブインの釜飯を昼食にしたいと思う。

 小千谷で国道117号線にはいって十日町にむかう。釜飯のドライブインは十日町からさらに山奥にゆかなければならないから、十日町の市街地にある、へぎそばの老舗の小嶋屋にゆくことに決めた。

 越後川口で国宝・愛染明王と案内がでていたので立ち寄ってゆくことにする。国道からそれて山の中に3キロほど入ってゆくと妙高寺というお寺についた。車をとめて境内に歩いてゆく。妙高寺は歴史のあるとてもよいお寺だったが、残念ながら愛染明王はご開帳されていなかった。

 今回の旅では中札内の小泉淳作美術館をたずねた。その小泉のエッセイを往きのフェリーで読んだことは前に書いた。そこに愛染明王がでてくることも。それで愛染明王と見て素通りできなかったのである。妙高寺の愛染明王は戦前は国宝だったが現在は重文だそうだ。

 

 小嶋屋のへぎそば

 

 昨年も北海道車旅の帰りに利用した十日町の小嶋屋についた。気温は37℃もある。日陰に車をとめて店にはいった。

 混んでいるのではないかと心配したが、思ったほどではなく、すぐに席につくことができた。注文するものは決まっている。へぎそば930円と上天ぷら1350円である。へぎぞばは、へぎと呼ばれる板にのせて供されるからその名がある。そばのふのりという海草をつなぎにつかっているので喉越しがよい。そのそばを辛目のつゆでたべる。上天ぷらにはズワイガニの天ぷらがつく。ズワイガニの天ぷらはなかなかお目にかかれないものだ。私はここのそばがいちばん好きだ。☆5点満点平均3点で4点。

 十日町をでると、東海道新幹線が計画運休するが、その時間が繰り里上がりそうだとつたえている。東名高速は高潮のために通行止めだそうだ。なんだがすごいことになってきた。

 湯沢から高速にのって群馬にはいっても、埼玉にいたっても空は晴れている。しかし都内と埼玉には大雨警報がでている。やがて千葉にも刑法が発令された。それでも雨は降ってこなかったが、家について車からバイクをおろしていると、ついにきた。あわてて荷物をおろすが雨降りはすぐにはげしくなった。

 翌日にかけて台風は首都圏を通過し、とりわけ千葉に甚大な被害をもたらした。電車はとまって交通網は麻痺し、東京圏は大混乱におちいった。台風15号だった。

 車の走行距離 325キロ

 合計走行距離 バイク 1435キロ ダート 180、3キロ 車 1770キロ 

 2020年5月28日 脱稿 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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