仏教のことば 生きる智慧 中村元編 主婦の友社 平成7年 2000円+税
簡潔でわかりやすく書かれた、仏教の大切なことばをまとめた本である。
ブッダの語ったことばとされる原始仏教から、各種のお経、そして日本人に親しみ深い、最澄、空海、親鸞、道元、日蓮、一遍、一休、宮沢賢治などの言葉をあつめている。
執筆は多彩な専門化が担当し、中村元が編集したものである。
見開き二枚のページでひとつの言葉が語られる。一話を読むのにかかる時間は二・三分だが、そのなかにとても深くて重い問題が凝縮している。
幸せの秘訣、真実とはなんだろう、人間の価値とは、ひとりで生まれひとりで死ぬ、この生の終わるとき、生死を明らめる、生死を生死にまかせる、ありのままに・あるがままに、世界のまことの幸福、真の安らぎとは何か、など。
読んでいて気づかされ、納得させられ、気持ちが落ち着いて、安らかになれた。ずっと手元において、折りに触れて読み返したい本である。