青年時代 トルストイ 新潮社 文庫
少年時代につづく自伝的作品。大学受験からはじまる。受験、合格、大学入学とすすみ、やはり幼い友情、愛、世界観が披瀝される。青年時代にだれもが感じる自意識過剰、自己の過大認識、そしてまだ見ぬ異性への憧れなどがつづられる。
貴族の子弟であるトルストイの葛藤や自意識過剰には鼻白むものも多い。自己をまったく肯定的にとらえているのは能天気にすぎるし、大資産家の子供のトルストイは無産者を見下しているもいる。これは後年訂正されるのだが。
たまたま手元にあったので活字中毒の病をおさえるために我慢して読んだ。少年時代はともかく、青年時代は読む価値もない。
大学一年の試験で落第して終わる。