DR650友の会 D0T−N オフ会 信州蓼科林道

 

 ペンション・スノーベルの前に勢揃いしたDR650

 DR650友の会、D0T−Nの林道オフ会が10月7、8、9と2泊3日でひらかれた。舞台となったのは信州の茅野市、高遠町、長谷村など。お泊りどころは茅野市中央高原滝見平にあるペンション・スノーベル。オーナーがBMWのF650GSダカールに乗っていて、林道を案内してくださるという企画。私は都合により8日の林道走行だけ日帰りで参加させていただいた。(オーナーさん、泊まらなくてすいません。)

 9時30分の集合時間までに全国各地からメンバーがあつまったが、今回自分以外のRSをはじめて見た。寅さんとボヤさんのバイクだ。たがいにしげしげとそれぞれのバイクを見るが不思議な感じだ。なにしろ複数のRSを見たことがなかったから。走りだしてからも、RSに乗っている姿はこんな感じなのかと思っていたら、ボヤさんも後でおなじことを言っていた。

 ところで当日の朝は冷え込んだ。蓼科の山にはいると歯の根が合わないほどの寒さで、スノーベルに到着してもしばらく震えていた。見かねた、たらいうどんさんがペンションの中で暖まったらいかがと心配してくれたほど。またここは8月にオーバー・ホール後の試運転にツーリングにきたところだ。スノーベルのすこし上でクラッチワイヤーが切れて修理をしたのだ。『木曽まで日帰りツーリング

 

 富士と南アルプスをバックに記念撮影

 オーナーさんにまず連れて行っていただいたのは、富士と南アルプス、八ヶ岳が見まわせるビューポイント。ここで記念撮影をした。スノーベルのHPでは、客がジャンプして写真におさまるのが決まりとのこと。そこで皆でいっせいに、じゃ〜〜んぷ! うまく撮れたかな?
 
 ここまでで初対面の方と挨拶をすませた。はじめましてだったのはRSのボヤさんと寅さん、タンネチキリさん、みんみんさん、シュン豆さん、パノラマAさん、サル吉さんのお友達さん(KTM400DUKE)、スノーベルからお帰りになったBESOさん。

 ここから林道組とオンロード組に別れて、いよいよ走行会の始まりだ。 

 

 金沢林道出口

 まず金沢林道に突入する。ここは走りやすい林道9キロだった。みなさんオフブーツやモトパン、プロテクターなどを装着していて気合が入っている。私はまったくのツーリングスタイルなのでちょっと場違いなムード。オフブーツは捨てちゃったし、モトパンは買ったことないのよねー。だいたい林道で飛ばす、という発想さえなくなっていた。前の人についていくとペースがアップして、つれてアクセルとブレーキをハードに使用することになった。

 グループの林道ツーリングってこうだった、とようやく思い出す始末。林道を全力で走ったのは、思い起こせば16年前にオフロード・デビューした、KDX200SRを手に入れたとき以来だ。それから林道はソロでノロノロとしか走ってこなかったので、ハンドルに伝わるはげしいバイブレーションが新鮮だった。

 

 シュン豆さんのスペシャル

 休憩中のワン・ショット。こちらはシュン豆さんの手づくりスペシャル。アルミ製のマップケース(アクリルのふたつきで雨にぬれないし、360度回転可能、さらにLEDのランプつき!)、GPS装着に、スクリーンも手製だ。それぞれ市販品のようにきれいな仕上がりの一品物で、こんなことができる人がいるなんて、信じられません。
 
 この後黒河内林道14.5キロに突入。みなさんガンガンと飛ばすので私も全力で走ってみた。今回は前の方のグループに混ざってを走ってみたが、いつのまにか私の前には人がいなくなり、つまりおいていかれ、後ろにはたんころさんとタンネチキリさんがぴったりついていて、障害物になってたみたい。そしてすすむとカモちんさんが停止していて、私の前でスタートしたが、すぐにすごいスピードで走りだし、ギャップでジャンプしたと思ったら、カーブの先に見えなくなってしまった。すごい走りだ。呆然、唖然、そして後ろのおふたりの迷惑。やはりもっと後ろのほうを走ろうと思うのでありました。

 林道をぬけてお昼ご飯の待つ道の駅『南アルプスむら長谷』へ。17台のオフロードバイクが一列になってワインディングをスムーズに駆け抜けていく。抑制がきいていて、チームワークのよいこの編隊走行は、ベテラン同士でないとできないことだと思う。

 

 

 お昼ごはんは焼きたてのクロワッサンと菓子パン。評判のパンのようで美味しい。幹事のHAROさんやチクンさん、オーナーさんが考えてくれたようだ。ここでくりさんがくるかもと待つがあらわれず。そして午後の林道へGO! パノラマAさんは明日仕事とのことでここでお帰りになった。

 

 

 町道高嶺線へ。ここはガレているところ、ヌタ場もあって、走りづらいコース。ガレ場をフルスピードで走り、こんなことして年寄りのRSは大丈夫だろうかと思いつつ、ぬかるみが見えるとフル・ブレーキをかけて、フロントタイヤがズルズルすべるのをなだめて走った。稜線に出たところで一休み。

 

 

 こんな感じで懇談してます。話し合っているのは、皆飛ばしすぎたよ、無理するのはよそうよ、なんてことでした。走り出すとむきになっちゃうんだから。オーナーさんは、せっかくの景色なのにだれも見てないよ、とおっしゃってました。

 ふたたび走行開始。するとすぐに停止するバイクが1台あり。どうしたのかと思いつつも先にいくと、林道出口で皆さん待っているが、とまったバイクと後続がこない。トラブルかと話し合っていると、通りがかりのオフロード・バイクの人たちがきた。たずねてみると、パンクしてましたよ、とのこと。すかさずしんさんが引き返していく。面倒見のよい方だ。

 しばらくすると伝令1号、2号、3号が順次やってきて経過報告をする。あと30分くらい。まだちょっとかかるみたい。あと少し、と。

 通りかがりのオフローダーがひきもきらずにやってくる。ここは林道銀座のようだ。そのなかのベテランライダー氏が我々をみて、
「スズキのお店のツーリングですか?」ときく。
「懐かしいのから、最新のまで、おなじバイクばかりですね」
 たしかにそう思うかもしれない。
「DR650のクラブなんですよ」と答えると、
「いろいろいるけど、パリダカールがいないね」と言う。するとシュン豆さんが、
「パリダカールを知っているとは、あなたもやるね」と答えたのだった。たしかにパリダカール仕様はあったが、あれはRSのまえの型だ。相当に古い。

 

スズキのお店の人たちが林道銀座でパンク修理が終わるのを待つ 

 パンク修理に時間がかかり、もう一本の林道はキャンセルとなった。この夜の食事はスノーベルの庭でBBQとのことだが、まき割りと火おこしはゆーじ氏がつとめることになるのだとか・・・・。しかしまた、冷えてきた。

 

 

 パンク修理が終わって走り出した。気温表示は12℃となっている。パンク修理をしていたところは10℃だったとのことなので冷えるわけである。それでも朝ほど寒くないので、朝方は何℃だったのだろうか。

 またワインディングを等間隔の一列となって、ながれるように進んでいく。ほとんど誤差なく、同じようなアクセルワーク、ブレーキングで前走車にあわせていく。しかも微妙に千鳥走行をのこしながら。まえをいくバイクも後ろから続くライダーも技量はわかっているので、安心してながれに溶けこみ、すべてのメンバーが一体となったかのような編隊走行だった。

 山からくだり町に出るとオンロード組とタイミングよく合流した。ここから帰宅するメンバーもいるのでコンビニで1度とまった。そしてRSだけ3台ならべて記念撮影をする。うーん、感無量だ。1993年からRSに乗っているが、はじめて同型のバイクとならべて写真をとったのだから。

 ここからたんころさん、タンネチキリさん、シュン豆さんは離脱した。私は皆さんと温泉にはいりにいく。むかったのは尖石遺跡近くの縄文の湯である。じつは8月のツーリングでは尖石遺跡にもきていたのだ。なにやらこの周辺に地縁を感じてしまうが、尖石遺跡は登呂遺跡とならんで日本三大遺跡と呼ばれるそうだ。もうひとつはどこなのかわからないが。尖石様(とがりいしさま)、と地元の人に呼ばれている一抱えほどの三角錐型の岩があり、周辺には遺跡があって、博物館もある。興味深いところである。

 温泉で十分に暖まり、スノーベルまで走ってそのまま離脱した。みんみんさんは風呂から帰宅されたが、私とみんみんさんは夜の走行にそなえて入念に髪を乾かし、私はカッパを着こんで走りだしたのだ。きちんと挨拶できなかった方もいて失礼してしまった。みなさんはスノーベルにお泊りになるのだが、私は自宅へむかう。相当寒いだろうと覚悟して山をのぼるが思ったほどではない。ただ交通量のない真暗な山のなかをひとりで行き、麦草峠を越えて佐久にくだり、帰還した。

 当日山では遭難が多発していた。高山では今シーズン初めて気温が急低下し、雪も降って山はきびしい状況になったようだ。たしかに山岳道路を走っているだけで震えてしまうほど寒かった。そして帰ったら、オフロード・ブーツやプロテクターを買って、コースで練習しようなどと考えていたのだが、やはりそんなことはせず、机にかじりついて本を読んだり文章を書いたりしているほうが楽しいと思ってしまうのであった。

 やはり私はバイクか文学で放浪するばかりで、かっ飛ばしにいく、というのは性にあっていないのだった。

 

 

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