2012 新潟ツーリング

 

 

 小千谷の闘牛

 

 思い切りバイクに乗りたくなって、新潟にキャンプ・ツーリングに行くことにした。出発は5時過ぎ。群馬県の前橋まで一般道でゆき、その先は新潟県の湯沢まで関越を利用しようと思ってバイクを走らせる。埼玉県の上尾市をすぎると渋滞はなくなり、更に鴻巣市の先は新しいバイパスができていて、前橋まで快適に走ることができた。

 梅雨時だが空は快晴。今日も明日も晴れる予定なのはありがたい。欲張って前橋の先から関越の乗ろうと思ってすすむと、昔ながらの国道17号線の風景がのこっていた。関越道ができる前からスキーやツーリングでここを通っているから懐かしい。ならばいっそこのまま国道をすすみ、三国トンネルを越えてみようか。三国トンネルは何年振りになるだろう。15年振りくらいだろうか。よし、行ってみることにした。

 赤谷湖をぬけると峠道となる。記憶よりも長いワインディングを走っていくと、ドゥカティが壁に立てかけてあった。転倒の痕があるから走れなくなってしまったようだ。バイクはトラックで引き上げに来るのだろうが、ライダーは怪我はなかったのだろうか。

 

 

 三国トンネル

 

 気を引き締めて山道をすすむと、こんなに小さかっただろうかと、記憶をあやしむほど狭い三国トンネルがあらわれた。標高は1000メートルで気温は14℃。あらためて走ってみるとここは厳しい峠道だ。この道を苗場スキー場とその裏にあった三国スキー場を目指して、何度も走ったものなのだ。スキー・ブームのころは峠の上り下りが早朝から深夜まで渋滞したものだった。スキーヤーの減った今から考えると夢幻のようだが。

 

 苗場スキー場

 

 短い三国トンネルをぬけて峠を下ると、苗場スキー・リゾートがあらわれた。往時よりもリゾート・マンションが増えている。そして雪のない苗場は人影がなく、ゴースト・タウンのようだった。苗場スキー場の奥には三国スキー場があったのだが、今は閉鎖されてしまっている。ほかにはないレーシング・スキーのスクールがあって通ったものなのだ。その三国スキー場を見にいってみようかと考えたが、やめておいた。

 

 

 魚野川 前島橋より

 

 湯沢で標高は400メートルまで下がり、気温は21℃となった。渓流釣りをした魚野川のポイントを見にゆく。魚野川は大きくて的をしぼりにくい川だ。私は塩沢駅前の道が川にぶつかる前島橋から釣り上るのを常としていた。8メートルの長竿を使ったものだっけ。入渓ポイントにいってみると道は荒れ、草ぼうぼうの有様。釣り人は少なくなったのだろうか。川は変わっていないが、入漁料が倍に値上がりしていた。

 この後は塩沢、十日町、小千谷と新潟の着物どころをまわった。興味のある方はブログの着物のカテゴリーをどうぞ。

 

 上の原公園の足湯

 

 六日町から十日町にむかい、キャンプ地候補の上の原キャンプ場を見にいく。上の原公園内にあるのだが、これはしょぼい。狭くて傾斜地ばかりだし、傍らにある建物のトイレが使えるのかわからない。しかも、ほかにトイレはないのだ。200円で泊まれるがここはパスすることにする。無料の足湯があったのでそれだけ利用させてもらった。

 

 スピード・メーターを修理

 

 十日町にむかうとスピード・メーターが動かなくなってしまった。このままでは不便なのでバイクをとめて調べてみた。すると単純な故障でケーブルが抜けてしまっているだけだ。フロント・カウルのスクリーンをはずして、スピード・メーター・ケーブルをつないで解決した。修理に要した時間は10分ほど。

 十日町に着くと昼時となった。新潟では海草を蕎麦のつなぎにつかった、へぎそばが食べたいと思っていた。十日町なら以前にも利用したことのある、小嶋屋と由屋が有名である。由屋は人気で行列となるので、すぐに座れる小嶋屋にいくことにした。

 

 

 小嶋屋の上天ざるそば・大盛り

 

 七夕飾りが目立つ十日町のメイン・ストリートをすすみ、小嶋屋に入って上天ざるそばの大盛りをオーダーした。上天ぷらにするとズワイガニの天ぷらがつくので、どうしても上にしたかったのである。美味しくて満足の昼食だった。ところで、へぎそばもざるそばも使っているのは同じそばとのこと。へぎそばの方が量が多いだけとのことだった。

 小嶋屋を出ようとすると中国人の観光客が団体でやってきた。こんな田舎にまで来るとはおどろきだ。何を見にきたのだろうか。ところで新潟は店が少ない。飲食店だけでなく、全体的に店舗の絶対数がすくないのだ。食堂はとくに少ないから、新潟の人はあまり外食しないのだろうかと考えてしまった。

 小千谷にむかう。小千谷は小千谷縮という着物と、錦鯉、そして闘牛が有名だ。駅前に着くと闘牛場の案内がでている。新潟地震の被災地の山古志村の方向なので、観光気分でいくのはどうかと思ったが、復興もすすんでいるようなので立ち寄っていくことにした。

 

 

 小栗山闘牛場

 

 国道から案内にしたがって山の中に折れていくと、こんなところに、と驚くような辺鄙な場所に小さな闘牛場があった。今日は誰もいない闘牛場を見学して道路の先を見ると、牛がいた。闘牛だ。大きい。それが冒頭の写真である。

 錦鯉の里にもいってみた。しかし入場料が500円もするので園内には入らず、前にあるみやげ物販売の建物に入った。ここは小千谷縮を織っているところを見学できたり、反物を見たりすることができる施設だ。そしてここにも中国人が団体できているので驚いてしまった。

 小千谷の町を走っているとカワサキKH250がいる。私が高校生のころのモデルだ。懐かしいのですぐ後についてながめようとしたら、猛烈な白煙を吐く。そうだった。2サイクル・エンジンのこいつは白煙がひどく、グループ・ツーリングに行くと、必ず最後尾を走らされると言われたものだった。白煙はオイルの粒子なので、洋服やバイクが汚れてしまう。すぐにスピードを落としてKHを見送ったが、2サイクル・エンジンが廃れるのはしかたがないことだ。

 そろそろ野営地にむかう時間となった。候補地はふたつ。守門温泉にある白石キャンプ場か、六日町と十日町の間にある笠置山キャンプ場かである。守門温泉は1000円、笠置山は無料だ。そして笠置山キャンプ場は、野営場と呼びたくなるような何もないキャンプ場らしい。そしてそれを紹介している文章に、女性や子供はきびしいかも、とあり、私が利用するのにふさわしいワイルドなところだと感じていた。したがって笠置山が第一候補なのだ。

 とりあえず笠置山がどんなところなのか見に行くことにした。小出をぬけて行くと浦佐駅がある。新幹線がとまる駅で、思っていたよりもはるかに大きい。駅舎と新幹線の高架の線路が立派だ。駅前には田中角栄の銅像が建っていたが、新幹線と関越道を引っ張ってきた彼の功績は、新潟県人にとって絶大だろう。

 浦佐の先の一村尾から県道59号線にはいった。夕食の材料を買いそびれていて、キャンプ場を見てからまた買物にいくつもりだ。後山トンネルをぬけて西枯木又方向にむかうが枝道が多く、山の中を迷走してしまう。グルグルと走り回ったが、同じところにもどってきてしまったのだ。時刻は17時を過ぎたので、笠置山を諦めて守門温泉に転進することにした。

 山をおりて国道17号線に出たところで白石キャンプ場に電話をした。時刻は17時30分。いまからキャンプできるかと。すると帰るところだったらしく、どのくらいで着くのか、1時間くらい?、やむを得ないね、というやりとりをした後で、OKとなった。料金は1000円か、と確認すると、1000円でいい、とのこと。どうもサービス業の接客の気配がなく、公務員と話しているようだ。それでも待たせては悪いので、急いで守門温泉にむかうことにした。

 18時20分に守門温泉のSLランドに到着した。SLが置いてあるからその名前だ。温泉の受付に行くと、電話の人物ではない人がいて、聞いています、と受付をしてくれた。しかし温泉を営業しているのだから、時間が遅くなっても問題ないのにと思う。そして料金は1000円でいいです、とまた言う。じつは1100円だったのだが、それならそうと言ってくれればいのだ。そして風呂は8時までだが、できれば早くはいって欲しい、と言う。こんなことを言う温泉はない。ここは客のことを考えないで、自分の都合で商売をしている施設だった。

  

 白石キャンプ場

 

 土曜日だというのにキャンプ場に客はいない。私だけの貸切だ。オート・キャンプができない、昔ながらのキャンプ場は今は敬遠されてしまうのだろうが、温泉に隣接しているというのにこの状況は、人に原因があると思う。やり方しだいで結果はちがうんだよね。

 早くしてくれと言われたので、テントを設営してまず風呂にいった。料金は600円。小ぢんまりとした温泉。お湯はよかった。そして客は少ないがまだいたから、急がせることもないのにと思う。

 

 守門の夕食

 

 途中で買ってきたもので夕食をとる。何かを作るのは面倒なのでこうなった。錦鯉の里らしくワンカップに鯉の絵がかかれているのが楽しい。静かなキャンプの夜。