2016年 トランポでゆく北海道ツーリング3日目

 

 牧草地の夕暮れ

3 びふかアイランドの夜 

 来た道を下ってゆく。のぼってきたばかりの林道でようすがわかっているから飛ばす。長い直線ではアクセルをあけた。オフロード走行はたのしい。アスファルトの峠のコーナーを攻めるのも面白いが、ダートは別の醍醐味がある。すべりやすい路面でバイクをコントロールすることが、まことに愉快なのだ。

 先に出発したライトバンをつかまえられるかもしれないと思ったが、彼らは途中で停止して巡視活動をしていたので、すぐに追い抜いた。やがてスキー場が見えてくる。雪のないゲレンデやレストランなどは閑散としている。ここは冬になると、太陽がゆがんで見える、サンピラー現象がおこるほど冷え込むところだが、9月の今では、想像もできないことだった。

 びふかアイランドにもどってゆく。美深名寄道路を利用して16時20分にびふかアイランドのキャンプ場に到着した。さっそくチェック・インの手続きをするが、1泊300円の安さである。宿泊申込書に車両ナンバーを記入するのだが、車とバイクの両方を書いた。ゴミは有料のゴミ袋を買えば捨てられるとのことだが、コンビニで買い物をした際に処分することにしているから、購入しなかった。

 

 びふかアイランドのキャンプ場

 

 日曜のキャンプ場は7分の入りだ。私は夜中に酒に酔ってトイレにゆくから、その近くに場所をえらんで車とバイクをとめた。美深温泉にはレストランがある。夕食はここで一杯やってもよいと思っていたのでメニューを見にいってみたが、飲むような料理はない。ここは利用できないと考えて車にもどった。

 カメラは充電しなくとも動いたが、明日のことを考えればフル充電しておきたい。北に天塩川温泉があり、以前に利用してよかったイメージがのこっているが、どんな風呂なのか忘れてしまったので、また行きたいと思っていた。そこでカメラの充電をしながらゆくことにした。

 びふかアイランドから天塩川温泉まで15分ほどである。温泉の入浴料は400円だ。内風呂にジェット水流のでるマッサージ風呂、7・8人が入ることができる露天の岩風呂があった。その岩風呂を見て、そうだった、こうだったと思い出したが、前回利用したときは、温泉の裏にある無料キャンプ場にとまったのだ。温泉は黒い色のぬるいお湯でじっくりとつかれる。サウナはないが私はここが気に入った。

 

 天塩川温泉

 

 風呂上りに休憩室でメモをつけた。ここにもレストランがあるが、やはり飲めるようなメニューはないので、夕食を買ってびふかアイランドにもどることにする。美深の町までいってスーパーのフクハラに入った。閉店間際の時間だったが、刺身や肉、総菜にめぼしいものはなにもない。あまりにもなくておどろくほどだ。売れてしまったのか、それとも商品をしぼっているのかわからないが、これではどうしようもないのでセイコマに転進することにした。

 セイコーマート美深店にゆくと、少量パックの総菜などがおどろくほど充実していた。在庫がこんなにあっては廃棄ロスがでてしまうのではないかと心配してしまうほどだ。その中から豚バラ串4本で358円と山菜きんぴら炒め75円、サッポロ・クラシック500ml291円を買った。その際に5・6年前につくったメンバーズ・カードをつかったが、問題なく利用することができた。その間まったく使用しなかったにもかかわらずである。このセイコマは23時まで営業しているそうで、19時までのフクハラはとても対抗できないだろうと思われた。

 

 ハイエースの車内にて 左にあるのはラダー

 

 キャンプ場にもどりハイエースの荷台のベット・スペースで一杯やりだす。車なのでランタンを2個とヘッドランプも持ってきたが、ランタンふたつを使用した。マットの上で胡坐をかいて豚バラ串ときんぴらでサッポロクラシックをのむ。酒を口にするとほとんど食べないのだが、野営の夜に何もないと盛り上がらないので、敢えて食品を買った。これでも多いくらいなのである。

 今日は早朝の小樽に上陸し、長躯して美深についた。函岳にゆける日だ、どんな1日になるだろうかと胸が高鳴ったが、霧の函岳にたつことができた。カメラがこわれて新しく買うというアクシデントや、林道が通行止めで予定の3分の1も走ることができなかったという結果にもなった。それでも三つの台風が北海道にのこした爪跡を考えれば上出来だったのではなかろうか。

 ビールを飲み干して酒を焼酎にかえた。隣りは長期滞在している老夫婦のテントだ。長期間いるだけに濃い雰囲気をかもしだしていて、テントのまわりには雨水よけの溝が掘ってある。昔はこれがセオリーだったが最近は見ない手法だ。三つの台風が来たときにはそれが必要なほど雨が降ったということなのだろうか。

 もう一方の隣人は1ボックスカーで車中泊をしている老夫婦だ。こちらは長期ではなく明日にも出発しそうだし、キャンプにも慣れていないような印象だった。

 キャンパーは皆静かにすごしている。話し声もきこえない。わずかな量の酒を飲んだだけでいつの間にか眠ってしまっていた。

                                           走行距離          車 308キロ   バイク 174キロ

 

 

 

 

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