2016年トランポでゆく北海道ツーリング5日目

 

 道の駅 あさひかわ

 

1 雨の移動日  

 5時半に起床した。雨は5時くらいに降りだした。予報通りの強い降雨だ。道の駅にはボロボロのライトバンがとまっていて、車内には生活道具が満載されている。長期滞在者のようだが、生活臭がすごかった。道の駅にはゴミ箱があるがカラスが散らかしている。それを車中泊の年配の男性がほうきで片づけていた。

 バイクの横にたてておいたラダーをベットスペースの床に寝かし、荷物の整理をする。今日は1日雨の予想なのでバイクに乗ることはないだろう。昼食に花咲港の花咲ガニを食べることにしてルートを検討する。しかしスマホ・ナビのほうが正確なので、考えるのはやめてスマホにまかせることにした。スマホが提示したルートは、高速利用では料金が12450円で、おすすめは国道利用の0円だ。実績のあるスマホのおすすめルートを採用することにする。カーナビのルートも見てみたが、スマホと同じようなコースだった。

 道の駅あさひかわは隣りにスーパーがあり、駅まで1キロくらいの好立地なので大人気だ。車中泊の愛好家としては、皆でマナーを守り、長く利用できるようにししたいものだと思う。

 6時40分に出発した。昨夜通過したランナバウトをとおり、スタルヒン球場の横をゆく。ラジオでは今夜ここで日ハムのナイターが予定されていて、予報では夕方に雨はやみそうだとつたえている。球場は水はけがよいから、今夜の試合はできるだろうと楽観的な見通しを述べていたが、どうなったのだろうか。私はこの先でたずねる林道の水はけがよいことを望んだ。

 今朝も牛丼屋の朝定食がたべたいが店がない。北海道出身の同僚の言うとおり、北海道の人は牛丼を口にしないようだ。牛丼屋はないが、首都圏ではビックボーイの名前で展開しているゼンショー・グループのビクトリアというファミレスと、王将、マックはあった。

 スマホ・ナビは国道40号線で北にむかい、比布から無料の旭川紋別自動車道路に誘導しようとしている。比布までは昨夜美深から南下してきたルートだ。私なら昨日と同じ道はえらばないが、これがいちばん効率的なコースなのだろう。

 

 セイコマの焼きうどんとおにぎり

 

 牛丼屋はあきらめて北海道の社会インフラであるセイコマに入ることにした。108円メニューの焼きそばやスパゲティーをたべてみたかったので、まず焼きうどんの108円をえらぶ。ホットシェフという保温している弁当コーナーから大きなおにぎり、豚カツソース&マヨ200円をチョイスした。焼きうどんは見た目よりは薄味で、おにぎりはボリュームがあった。

 ひどい雨の中、北比布ICから無料の旭川紋別自動車道路にはいった。前方の雲はうすいが進んでゆくと厚くなってしまう。旭川紋別自動車道にはPAがない。休みたいと思っていると道の駅しらたきがあり、ここで休憩をとることにした。旭川紋別自動車道は自動車専用道路なので、一度一般道にでてから道の駅に入ることになる。到着したのは8時47分だった。

 交通情報を確認すると、石北峠は17時から8時まで夜間通行止めとなっている。石北峠だけでなく、大動脈の日勝峠と狩勝峠、三国峠も通行禁止となっていた。主要道が通れないのは考えられないことだが、それだけ台風の被害が大きい非常事態なのだろう。

 道の駅しらたきまではバイクに会わなかったが、この先で2台とすれちがった。NSR250のロスマンズ・カラーとNC750Xだ。2台ともソロ・ライダーだったが、ひどい雨だし1日降る予定だから、日程に余裕があれば停滞していたい荒天だろう。

 丸瀬布で旭川紋別自動車道は終点となり、国道333号線にはいった。走っていると眠くなってくる。窓をあけて風をいれたり、歌をうたったり、首のうしろをたたいたりしてゆく。遠軽で国道242号線に接続して安国にすすみ、さらに東進する。車のながれは70キロから80キロで、信号がないので高速道路を走っているような感じだった。

 常呂川は大増水していて泥色のながれだった。美幌の手前で空は明るくなり雨もやんだ。とたんにバイクが何台もやってくるが、中にはカッパをつけていないライダーもいて、この先の天気はよいのだろうかと期待がたかまる。しかしまだわからないぞと思い直した。

 フラッグあります、の看板を見て美幌のホクレンにはいった。燃費は12、2K/Lと好成績をマークする。こんなに走ったのは久しぶりだ。単価は119円。ブルー・フラッグを手に入れた。

 

 広大な畑

  

 美幌の町をでると広大な畑がひろがっているので車をとめた。雨の日はただ走るだけになってしまいがちなので、なるべく写真をとろうと思っていたのだが、結局やんだときにしか撮影はしないのだった。

 雨はあがったので、別海のキャンプ場でバイクを車からおろして花咲港までツーリングをしようかと考えた。しかし美幌峠をのぼりだすとまた雨粒がおちてくる。晴れていたのはわずかな時間だったのだ。さらに霧もわいてきて、美幌峠は視界が5メートルほどしかない濃霧となった。

 

 濃霧の美幌峠

 

 霧で何も見えないだろうと思ったが、晴れていれば屈斜路湖を見下ろすことのできる道の駅、ぐるっとパノラマ美幌峠にたちよった。展望台からは予想通り白い霧しか見えず、更に強い雨と風の中をあるいて売店にはいった。ここで白糠のシソ焼酎の鍛高譚(タンタカタン)とレトルトのホタテカレーをもとめた。ところでタンタカタンは、白糠の地元の酒蔵がつくっているものとずっと思っていたが、帰ってきてから上場企業のオエノンHDの製品だと知った。大会社の製品なら私が応援するまでもないかと思ってしまうな。

 

 

 嵐のような吹き降りの中をゆく

 

 峠を下ってゆくと霧は晴れたが雨ははげしくなった。屈斜路湖畔林道の入口から和琴半島のかけては土砂降りだ。弟子屈から虹別にかけても同様で、時に嵐のように降った。土砂降りの雨でもバイクは辛いが、暴風雨のように吹き荒れたらたまらない。この天候でもオートバイはポツポツと走っているが、二輪では走りたくないひどさだった。、

 嵐のような天候だし、時間も昼をすぎたので、花咲港にある大八食堂が営業しているのか心配になってきた。大雨で早仕舞いをしていたら洒落にならない。また眠くなってきて大声をだしながら走る。はげしい吹き降りで国道243号線は交通量がほぼない。そこを80キロの速度ですすんでいった。

 ここまで来るとべっせかい、と看板がでている別海に入る。中心部には別海ふれあいキャンプ場があるはずだが、案内などはなくて、市街地を通過していった。

 別海は牧場がおおい。馬や牛は豪雨の中でも食事をしている。ずぶ濡れになっても気にならないようだ。カラスたちは電線にとまって耐えている。何十羽もならんで雨に打たれていて、その姿は哲学者のようだった。

 

 東海PA 春国岱

 

 春国岱にある東海PAで休憩をとった。風連湖の野鳥が観察できる施設だが、雨なので風景はたのしめず、鳥もいない。駐車場にはスズキVストーム650が1台とまっているがライダーの姿はない。走るのを諦めてしまった気配があった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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