2019北海道トランポ林道ツーリング6日目

 

 開陽台 快晴

 

9月4日。水曜日。秘湯めぐりと林道

 5時30分に起床した。晴れていて寒い。テントのライダーはまだ寝ている。いつの間にかバイクにカバーまでかけてあった。爪を切り、カップめんの朝食をとる。車内の整理をして毛布をたたんだ。シュラフも持参しているが使用していない。寝袋に入るのは面倒なのでもっぱら毛布である。

 車のエンジンをかけてスマホの充電をしながらメモの整理をする。地図をみてプランの確認をした。今日は秘湯めぐりとその間の林道を走るつもりだ。

 6時50分になった。テントのライダーが起きだす気配はない。何か事情があって幕営せざるをえなかったということはあるかもしれない。しかし日がのぼれば撤収するのが最低のマナーだ。車中泊をしている道内ナンバーのジープの老夫婦が、車の外にテーブルとイスをだして、カップめんを作ってたべているのもどうかしている。空いているからといって、キャンプ場のように振る舞ってよいわけではない(私の長時間の駐車は容認される範囲だと思っている)。

 今日も車の駐車位置と向きを変えた。私がここにきた3日前から、ずっと同じ場所にとまっている乗用車がいるが、何の対応もされていないから、問題はないのだと思う。それでも誰かが見ていると思うから、ハイエースを動かさずにはいられないのだ。

 バイクで走りだす。毎日通っている国道38号線で釧路にすすみ、先日利用した道道53号線で鶴居にむかう。鶴見台PAの手前の牧草地に丹頂鶴が4羽いたのでDRをとめた。鶴の写真をとるが、地元のドライバーは何をしているのだという顔でこちらを見ている。土地の人にとっては丹頂鶴がいるのは当り前のことなのだ。

 鶴居を通過して国道274号線で標茶にむかう。今日のひとつ目の目的地は川北の湯だ。なるべく道道をつかいたいので標茶から道道13号線にはいる。虹別で国道243号線をすこし走り、道道885号線、道道150号線とつないで開陽台にむかった。

 70キロで走りたいが交通のながれで80キロになることがある。昨日と今日はバイクでの移動が長い。トランポにオードバイを積んで動いたほうが楽なのだが、DRにより長くのりたくて、拠点を道の駅しらぬか恋問に固定しているのである。

 道道沿いは北海道らしい風景が連続する。広大な畑、牧草地、牧草ロール、大地、空、山、農地の境界にたつ木々。国道をいったのでは触れることのできない、道内の人の生活や内実も見ることができる。

 雄の鹿が路上にぼんやりとたっていた。硬直しているのだろうかと思ったら道路をわたっていった。そば畑に白い花が一面に咲いている。その清楚で可憐な姿は目をひきつけてやまなかった。

 開陽台は後でもどってくることにして通過する。開陽台の奥にある、長い直線路の北十九号線にもとまらない。知床方向にむかう。キタキツネが車にはねられて死んでいた。直線路がつづく道道975号線をゆく。真っ直ぐな道のいちばん高いところにバイクをとめて、直線を強調した写真をとったりした。  

 国道244号線にでて左折し川北の湯にむかう。国道にでたらすぐに温泉の入口があったと記憶していたが、5キロほどの距離があった。

 川北の湯にゆく笹の沢林道の入口についた。国道から折れたところに川北温泉の看板がたっているのは以前のままだ。温泉まで5キロとある。ダートの林道に入ってゆくと、沢の横にカヌーをつんだワゴン車がとまっていた。林道はずっと上りだ。走りやすい道だったと記憶していたが険しい。荒れてもいる。ツブの大きなジャリがいれてあり、水が路面をながれているところが何ヶ所かあった。

 

 川北の湯 沢の水をホースで引きこんで源泉を冷ましている

 

 もっと時間がかかったように感じたが、10分ほどで川北の湯についた。キャンピングカーと軽バンがとまっていて、露天風呂には男性がひとりだけいたが、あがったところなので私の貸し切りとなった。

 源泉は熱いから沢の水で冷ますようになっている。その清水をひいているホースははずれていて湯は熱い。ホースを湯船にいれてみても沢水がでないので、体をふいている方にたずねてみると、そのままにしておけば水はながれこむとのこと。待っていると冷水が流れだして、風呂の温度は一気に下がった。

 川北の湯は白濁した塩分の強い泉質だ。男女の露天風呂はコンクリートの壁で仕切られていて、よく整備されている。地元の愛好家の方たちの手で維持されている秘湯だ。ひとりなのでスマホをもってきて自撮りをする。風呂につかって満面の笑みをうかべている写真がとれた。

 沢の水をとめると温泉の温度はじわじわと上がってゆく。身体が火照ったのでベンチにすわって休んでいると、65くらいの男性がふたりやってきた。2人組みなのかと思ったらひとり旅の人たちで、たまたまここでいっしょになったとのこと。

 山口県の方と東北の人だった。山口の男性はよく話すが東北人は寡黙だ。山口氏は7、8、9月は毎年北海道にいるそうだ。逆に12、1、2月は沖縄に滞在しているとのこと。いずれも軽バンの車中泊の旅で、25・6℃のところをえらんで1年をすごすようにしており、したがって旅行ではなく、避暑、避寒をしているのだと言う。自炊はせず、外食か買ってきたもので食事をすませるそうだが、沖縄は物価が安いのですごしやすいのだそうだ。

 山口氏は軽バンの荷台はワンルーム・マンションのように快適だとおっしゃる。普通車も所有しているが、軽は金がかからないからよいとのこと。私はDRをハイエースに積んで旅をしていると話すと、カブをのせている人はいるが、あんなに大きなバイクでトランポの人いないよとおっしゃっていた。

 おふたりは川北の湯ははじめてとのこと。こんなところがあるんだと感心していたが、人に聞いてやってきたそうだ。近くにドラム缶の露天風呂もあるそうだが、私は知らない。山口氏は根室の明治公園が車中泊によいことと、帯広の市場に600円でたべられるお得な海鮮丼があることを教えてくれた。

 山口氏は、家にいるとエアコンのきいた部屋で1日中パソコンを見ることになる、と言う。それは不健康だから旅にでたほうがよい、と。私もリタイヤしたら同じことをしそうだと答えたのだった。

 

 ワゴン車にカヌーとマウンテン・バイクをのせた青年がやってきた。

 

 林道の入口の沢にとまっていた、カヌーを積んだワゴン車がやってきた。カヌーだけでなく、マウンテン・バイクものせている。ドライバーは青年だ。山口氏がカヌーに自転車とは遊びのプロだね、と話しかけると、これだけが趣味なもので、と青年は答えていた。

 山口氏と東北人は風呂からあがっていった。青年にカヌーで川を下ったら、どうやって車にもどるのかたずねてみると、そのために自転車にのっているとのこと。まずカヌーの上陸地点に自転車をおく。次に車で上流にむかい、スタート地点にワゴン車をとめて、カヌーで川をくだる。マウンテン・バイクをおいたところについたら陸にあがり、カヌーをたたんで背負い、自転車にのって車までもどるのだそうだ。自転車で走るのはだいたい10キロとのこと。それは合理的でとてもよいと言うと、JRで移動する人もいるが、これがベストと思ってやっているとのことだ。

 私はバイクをハイエースにつんで、車中泊をしながら林道ツーリングと秘湯めぐりをしていると話すと、青年はそれも凝った旅ですね、と言っていた。

 カヌーの青年をのこして風呂からあがるとオンロード・バイクが2台やってきた。2人組なのかと思ったら、彼らもソロで、たまたまここでいっしょになったとのこと。関西ナンバーのKTM氏と東北ナンバーのホンダ400X氏だ。KTM氏は30くらいであまり喋らず、400X氏は同年輩でよく話す方だった。

 400X氏は若いころにバイクに乗っていたがブランクがあり、50をすぎてまたオートバイで冒険がしたくなって北海道にきたそうだ。飾らない人柄なのですぐに友達になれる人だった。

 ふたりは風呂につかり、私はバイクで走りだす。帰りの林道は下りなので走行は楽だった。開陽台にむかう。やってきた長い直線路の道道をもどり、20キロ離れた開陽台についた。

 

 開陽台の満腹カレー。風景を見ながら食べられるが、窓に小鳥がぶつかってきた。

 

 青空がひろがり360度の景色が見えている。目にはいるのは絶景だが、まずレストランで食事をとることにした。開陽台には何度もきているが、食堂を利用したことはない。メニューを見て満腹カレー850円をオーダーする。窓に面したカウンター席で待つように言われて、ガラス越しの展望をながめていると、とんでもない大盛りカレーがやってきた。大皿にごはんが盛り上げられ、そこにカレー・ルーがあふれんばかりにかかっている。その上にエビフライが3本のっていた。

 これは腹ペコのサイクリスト向きの料理だ。超大盛りカレーを完食できるだろうかと思いつつたべはじめる。カウンターには若い女性の先客がいて、その人は端の席にすわっていた。

 このボリュームで850円は安かったなと思いながらスプーンを口にはこんでいると、川北の湯で会った400X氏がやってきた。また会いましたね、DR650を見て、いるなと思いましたよ、と。400X氏も満腹カレーを注文したので、すごい量ですよ、と言うと、そうですか、でも、これでやっとまともな食事ができる、とひとり言のように答えた。

 400X氏は隣りにすわった。彼は道内4泊5日の日程なのだそうだ。開陽台のキャンプ場にテントが少ないことや、昔の展望台のこと、ここに長期滞在することを沈没と呼んだことなどを話す。同年輩なので話があった。

 400X氏はオフロード・バイクに乗っていたそうで、函岳にも400Xで行ってしまうそうだ。たしかにオフ車で走ったことのある人なら、オンロード・バイクでもゆくだろう。私はこれからからまつの湯につかって、虹別林道を走るつもりだと話した。400X氏もからまつの湯に来るかもしれないと思ったので。

 ふたりで話をしていると、小鳥がものすごい勢いで窓ガラスにぶつかって地面に落ちた。がツン、と音がしたので、400X氏と先客の女性と3人で顔を見あわせる。ガラスが見えなかったのか、それとも風にあおられたのか。野鳥はまったく動かない。あの衝撃では首が折れてしまったのだろうと思われた。

 満腹カレーはたべきれなかった。400X氏よりも先に席をたつ。北海道ツーリング好きの400X氏と話せてたのしかった。しかしトランポで来ていることは言えなかった。自走のライダーにはなんだか後ろめたくて、口にできないのである。

 レストランから展望台にあがると思いえがいていた景観がひろがっていた。今日は国後がみえる。海に山が浮かんでいるように見えていた。それに知床連山、根釧台地、牧場と畑、印象的な鉄塔だ。何度きても魅力的な眺望だ。そしてあらためて開陽台という名前がよいと思う。ここが開陽という土地だからその名がついたようだが、まるで天の配剤のようではないか。

 景勝をながめていると職員の方がガラスにぶつかった鳥を手のひらにのせて、丘をくだってゆくのがみえた。レストランにいた女性が小鳥のことを伝えたのだと思う。展望台からおりて駐車場にむかうと、職員の方がもどってきたので、野鳥のことをたずねると、気をとりもどして飛んでいったとのこと。脳震盪だけですんだのだ。職員の方は、あの鳥はどうしたんでしょう、と聞くので、窓ガラスにぶつかったんですよ、と説明しておいた。

 

 からまつの湯 食事につかった食器が放置されている

 

 からまつの湯にむかう。牧場の横を走り、養老牛温泉をぬけてゆく。13時30分にからまつの湯についた。駐車場には長期旅行者の車が3台とまり、リタイヤした男が3人テーブルやイスをだしてくつろいでいた。ロープをはって洗濯物を干していたから、ここに居ついていたのかもしれない。車のとめかたがだらしがないし、排他的な雰囲気なので、挨拶もせずに露天風呂にゆくと、湯船のまわりに食事につかった鍋や皿がおいてある。しかも汚れを浮かせるために湯まで張ってあった。

 公共の場でこんなことをするだろうか。彼らは私が風呂にいってもこれらの汚れ物を平気でおいたままにしているのだ。マナー違反もはなはだしいが、人間性が欠如しているものと感じられた。

 湯はぬるかった。からまつの湯は熱い源泉をコンクリート槽にためて、それを上にあるビニール・シートの湯船にうつしてから、露天風呂におとして、温度調整をしていると北海道の方のブログで読んだ。それをバルブを操作しておこなうようなのだが、男たちがそれをやったのかなと考えたりした。

 ここも貸し切りなのでスマホで自撮りをしてみたが、彼らのせいで楽しみきれていない表情の写真がのこった。3人の車は中国地方ナンバーの軽トラに幌をはり、荷台にプラスチック・ケースを満載しているもの。道内ナンバーのハイエース。それに東海地方ナンバーの軽バンだ。テーブルとイスのまわりには煮炊きの道具が散らばっている。彼らはこちらを見ようともしない。これまで会ったことのないタイプの人間だった。

 からまつの湯から道道にでたところにある虹別林道の入口にやってきた。ここから西別岳登山口をこえてゆく、20キロ強のダート走行のはじまりだ。林道は林の中をゆく。アップ・ダウンがかなりあり、深ジャリや玉石のはいっているところがある。すすんでゆくと深ジャリの急坂の上りがあった。セカンドでのぼってゆくと斜度が急に高まって失速し、エンストしてしまった。足場の悪いところでキックするが、エンジンがかぶってしまってなかなかかからない。5回キックしてようやく再始動した。

 エンジンはかかったが、深ジャリの坂道なので、リヤ・タイヤが空転して再スタートできないのではないかと不安になった。しかしクラッチをつなぐと問題なく走りだすことができた。

 長い坂を上りきったところでバイクをとめて一息いれた。虹別林道は逆方向からしか走ったことがなかったから、こんなにきびしい坂があるとは思っていなかった。以前にも上り坂でエンストしたことがあったのを思い出す。あれは岩間温泉にゆく音更川本流林道だった。温泉にむかってゆくと、やはり坂の途中で傾斜が強まって失速したのだ。その音更川本流林道は何年も前から災害のために通行止めになっている。岩間温泉のあった川原も崩壊し、湯船もなくなってしまったようだが、ユニ石狩岳の登山口にむかう林道をつかえば、近くまでゆけるようだ。機会があればいってみたいと思っている。

 山が見えてきた。林道ツーリングガイドブックによると、からまつの湯から虹別林道に入るのが山なみが見えておすすめとのこと。西別岳かと思ったら温泉富士のようだ。ピークがふたつあるのが特徴とのこと。

 

 虹別林道

 

 先にゆくと高度があがり頭上がひらけて直線が多くなる。こうなると飛ばせる。ギヤもトップにはいってスピード・アップした。

 ダートを11キロ走ると道道150号線にでた。虹別林道は道道をまたいで西にのびている。道道150号線の先にゆくとまた山があらわれた。これこそ西別岳だと思ったが、林道ツーリングガイドブックによると摩周岳とのことだ。

 虹別林道の西側はジャリや土がいれてあり、浮きジャリやフカフカの路面は走りづらい。アップ・ダウンは少なかった。

 道道150号線から5キロで西別岳登山口についた。広い駐車場があり、登山者の車が何台もとまっている。登山口の先はジャリダートとなって走りやすくなる。やがて分岐があらわれた。そこを左に折れると丁字路にぶつかる。丁字を右にゆくと、左から舗装路が接続していた。この道は新しいもので、林道はもっと奥までつづいているから、アスファルトの道路には入らずにダートをすすんでみた。するとすぐに路面が荒れだしたので引き返すことにする。そこにはポンベツ林道と看板がたっていた。

 舗装路にもどって道道150号線にでると、すぐに以前の林道の入口の「ふか場」の看板があった。さっきのポンベツ林道をすすめばふか場についたものと思われる。現在の林道の入口は、ふか場の次の交差点だ。

 時間がおしてきたが最後に屈斜路湖畔林道を走ることにする。弟子屈にむかい摩周温泉のホクレンで給油をする。24、4K/L。140円。15時18分だった。DRはリザーブになるまでに350キロは走るのだが、走行が250キロを越えるとガスの残量が気になってくる。まだ走れるはずだが、早目に補給しておこうと思うのだ。そしてじっさいにそうしてみると、まだ十分に走ることができたと確認することになるのである。

 当初の計画では弟子屈で昼食をとるつもりだった。行きたい店も決まっていたのだが、川北の湯までの道のりが遠くて、見込みちがいとなったのである。しかしそれで400X氏と話すことができたのだからそれでよかった。400X氏は今頃どこを走っているだろうか。

 夕刻がせまっていて、これから長い林道にはいると遅くなり、いつものバタバタを繰り返すことになるのかもしれない。それでも今日は完璧な日だと思う。林道を走って秘湯につかり、食べきれないほどのランチをとって、同じ北海道ツーリングが大好きな400X氏と話したのだから。開陽台から国後や知床連山をみて、これからお気に入りの屈斜路湖畔林道を走ろうとしているのだ。これ以上のツーリングがあるだろうか。

 しかし、バイクに乗らない人からみたら、バカなことをやっていると思うことだろう。交通量の少ない道道を好んだり、何もない風景を見て喜んだり、人も車もいない深山の林道を走りまわったりしているのだから。だが、この世は無常だから、バカなことをしなければ、生きてゆくことはできないのだ。

 和琴半島の入口をぬけて国道241号線のパイロット国道をゆく。冷えてきた。林道の入口を見落とさないように注意してすすみ、屈斜路湖畔林道にはいった。

 今年の屈斜路湖畔林道は例年よりも荒れていた。ジャリがいれてあり、浮きジャリの走りづらい路面がある。ツブの大きなジャリもあった。デコボコが多く、大きな水たまりもあり、そこはザバァッとど真ん中を通過した。

 蝦夷鹿が1頭にげてゆく。お尻のふたつの白い丸が印象的だ。タヌキが1匹路肩で硬直していた。鹿がかたまっているのはよくあるが、タヌキはめずらしい。動けないようなので横を通過しようとすると、やにはに走りだして、バイクの前に飛びだしてきた。ブレーキをかけると奴が振り返ったので目があう。スピードを落としていたし、タヌキもすぐに方向を転じたので、事なきをえた。

 

 屈斜路湖畔林道

 

 林道は林越しに湖をみてすすんだり、湖水からはなれて暗い森の中をいったりする。やがて湖のすぐ横をゆくビュー・ポイントにでた。屈斜路湖と山なみがひろがっている、心があらわれるような風景だ。こんなによいところは他にはないのではなかろうか。

 虹別林道の西別岳登山口から左足の向こう脛がつってしまって難儀をした。筋をのばすためにしばしばスタンディングで走る。私はシィッティング派なのでこれは異例のことだ。左足は数年前に車からバイクを下ろすのに失敗して痛めたのである。

 屈斜路湖畔林道は全般に走りやすく飛ばせるダートだ。以前は70キロ以上で走行したこともあるが、転倒するのは嫌なので、50キロで自重した。ここは何度も走りたい林道、気持ちよく走れるダート、長さを感じさせないルートだ。

 16時35分に林道の出口の道道102号線についた。表示されていた林道の距離は19、9キロだが、メーターでは21キロあった。バイクが泥でよごれているのが心地よい。これまで何度も休んだことのある林道の出口でメモをつける。道道をわたった先にも林道はつづいいて、野上林道と看板がでていた。

 摩周温泉のセイコマでゴミを捨てさせてもらいホッと・コーヒーで一息いれる。グーグル・マップをチェックすると、タイムラインに川北の湯とからまつの湯にいったことが記録されていて、その精度の高さにおどろかされた。

 鶴居のコープに立ち寄ったが18時で閉店してしまったようだ。15℃と冷えてきたので長袖シャツを着る。手も冷たくなっていた。

 釧路の街でスーパーを探してみるとフクハラ星が浦店があった。ここでサンマの刺身を半額の160円、カレイの刺身やはり50%引きで160円、輸入牛ロース肉10%オフで274円とサッポロ・クラシックを買った。ガスも満タンにしておく。21、9K/L。141円。

 19時半に車をとめてある道の駅しらぬか恋問にもどってきた。この周辺での予定は終わった。次の目的地には車で移動するのだが、今夜はゆっくりして明日の朝になってから動こうと思う。以前なら今夜のうちにバイクをハイエースに積み込んで、少しでも次の予定地に近づこうとしたはずだ。しかしもうそんな欲はなくなっていた。

 刺身とステーキで一杯やりだす。サンマはトロトロでカレイも淡白だがしっとりと脂がのっていた。牛ロースは筋があっていくら噛んでも飲み込めなかった。

 キャンプ用のイスを持ってきたのだがまったくつかっていない。フロアに座布団をしいてすわるのが楽なのである。イスはディレクターズ・チェアとロー・チェアのふたつを持参したのだが、Pキャンではもうもってくるのをやめることにした。

 昨日まではトラック用の長い駐車スペースで泊まっていたのだが、今日は普通車のところにいた。そのトラック用の場所には2台の大型車がいる。私は2日間トラック用で車中泊をしたが、その間に大型車輌は1台もこなかったから、悪いことをしたのかもしれない。もっとも道の駅の中心部にゆけば、トラック用のスペースはたくさんあるのだが。

 それにしてもDRはよく走る。ビック・シングルの排気音が猛々しいのもよい。焼酎がすすむ。今日はやはり完璧なツーリングの日だった。

                     バイクの走行距離 404、5キロ ダート 52、9キロ 車の走行距離 0キロ

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ツーリング・トップ                       BACK                            NEXT