2010 白樺湖キャンプツーリング 1日目
同じバイクに乗る、ゆーじさんのお仲間のキャンプ会に参加させていただいた。キャンプ場は白樺湖のすぐ北にある姫木平キャンプ場で、夜は宴会、昼は自由行動という集まりなので、日中はソロで林道ツーリングを楽しんできた。
中津川林道
まず向かったのは埼玉県から長野県へとぬける中津川林道である。中津川林道はフラットで走りやすいという記憶があったのだが、久しぶりに来てみると思っていたよりも険しかった。路面が荒れているし、前日の雨で濡れているところもある。それでも17キロのダート走行を楽しんで県境の三国峠に10時過ぎに到着した。
県境の村の長野県川上村には日本古来からの犬、川上犬という犬種がいるのだそうだ。ツーリングマップル(TM)にも紹介されているが、天然記念物に指定されているとのことなので、その犬にあえる『森の交流館』という村の施設に行ってみた。
川上犬
森の交流館は林業の展示施設である。その建物の奥に川上犬は飼育されていた。川上犬は本来猟犬だったそうだが、体は小さい。小型の柴犬くらいである。そして頭が大きくて体のバランスが悪く、あまり可愛くはなかった。
三国峠をこえたあたりから気温が上がりだした。高原なのにものすごい暑さと日差しだ。しかし空は素晴らしい。突き抜けるような青空に夏雲がわき、見惚れるような空だった。それはこの旅のあいだずっと続いたから、このツーリングは空を眺めていた旅路となった。
廻目平キャンプ場の入口ゲート
つづいて長野・山梨県境をゆく川上牧丘林道を走りたいので、三国峠方向に少しもどって林道に入った。しばらく舗装林道が続き、廻目平キャンプ場につく。この山奥にあるキャンプ場を見てみたかったのだが、入場料を取るので入らずに通過した。
川上牧丘林道
この先がダートとなるがすごい急坂だ。路面も荒れてもいて、3キロほど急坂の上りをローギヤ主体でのぼってゆく。3キロを過ぎると少し落ち着くが、5キロくらいからは拳大の石が敷きつめられた走りづらい道となり、ハンドルをとられて非常に緊張する。そして一度フロント・タイヤを石にはじかれて、道路から路肩に飛び出しそうになってしまった。上の画像の左のような側溝に落ちそうになったのだが、なんとか立て直した。しかし久々に冷や汗がでた。ドッと。
川上牧丘林道のダート部分は8.9キロとのこと。荒れた浮き砂利ダートを登りつめ、12時に長野・山梨県境の大弛峠(おおだるみとうげ)に到着した。ここは登山道の入口になっているし、山梨側は舗装されてもいるので、登山者の車がたくさん来ていた。
大弛峠 車がたくさんとバイクはBMのサイドカーにXR600
峠でしばし休憩し、南にあるクリスタルラインの林道群を走破するべく南下してゆく。空の雲の色、大きさが心地よい。こんなに清々しい晴れ空を見たのはいつのことか。ふだんの生活では空を見ることなどないから、たぶんかなり前のツーリング以来なのだろう。
深い森の中を下ってゆくが、自分でバイクに乗れているのを感じる。ダートを走るといつもそうなのだが、バイクの操作感覚が格段にアップし、自在にあやつれるようになるのである。深々と車体をバンクさせ、その体制をアクセルワークで一定のバランスに保って、しかも安全に速く山道を通過してゆく。林道を走るのは楽しいのだが、もしかしたらその後の、舗装路での充実した走行感が味わいたくてダートを走っているのかもしれなかった。
やがて琴川ダムに堰き止められたダム湖が見えてきた。そのほとりに食事処の幟をだした温泉宿がある。この山の中では次はいつ食堂があるかわからないから、ここ『金峰泉』に入ることにした。
旬の天ぷらつき蕎麦 1200円
客はいない。座敷に上がりメニューを見ると、天然岩魚定食1200円がある。これだと注文するも、今日は岩魚が入荷していないとのこと。残念なり。そこで旬の天ぷらつき蕎麦をお願いした。
これまでの走行ルートやメモなどを書いていると料理が運ばれてきた。蕎麦は少ないなと思ったが、天ぷらはたっぷりとある。旬の野菜が中心だ。料理は素朴で蕎麦湯はでないが、山の中で食事のできるここは貴重な存在だろう。
金峰泉からクリスタルラインに行こうとするも、焼山峠から南は通行止めだった。ここには2キロと5キロのダート区間があるのだが、通行は断念して乙女高原にむかう。その先のクリスタルライン行こうと考えていたが、時間は13時過ぎとなっていたし、この先にはダート区間が25キロほどあり、TMには深い砂利、ギャップあり、とのコメントもあるので、これから行くのは億劫になり、ここは後日にとっておくこととし、甲府に下って白樺湖にむかうことにした。
山を下ると強烈に暑い。甲府の街を汗をかきながら通過してゆく。気温表示は28・9℃だが、じっさいにはもっと暑く感じられた。甲府から高速を使おうかと思っていたが、それほど距離がないようなので国道を北上することにする。途中で神代桜の看板があったので寄り道した。
神代桜
現在は樹勢が衰えてしまったそうだがそれでもたいへんな迫力だった。しかしここも暑い。歩いているだけで汗が噴き出してくる。これまでジャケットを着ていたがたまらずに脱いでTシャツ1枚になった。
Tシャツだけで走っていると虫がぶつかったときに恐いのだが、暑さに勝てないし国道沿いなら大丈夫だろうと思う。じつは午前中に埼玉県の秩父で蜂がヘルメットにぶつかり、わずかに開いていたシールドの隙間にひっかかって、眼のすぐ下に張りついたのだ。蜂が眼に入りそうな気がしてパニックになりそうになったが、バイクを止めてシールドに張りついた蜂をはたきおとすことができた。だからジャケットはつけていたいのだが、暑さにはかなわなかった。
茅野では明日走る予定の金沢林道の入口を探しにいってみた。ここは入口がわかりづらいのだが、数年振りに行ってみると舗装されていた。ダートが舗装されてしまうのは残念なことである。地元の方はそのほうが便利なのだろうが、観光客の私はこんな道はダートのままにしておいても良かったのではないかと思ってしまう。その林道に少しだけ進入してみるが、やはり明日にとっておくことにして白樺湖にむかった。
キャンプ場の入口
茅野で買い物と給油を済ませて白樺湖にすすむ。白樺湖より2・3キロ先に姫木平キャンプ場はあり、18時くらいに到着した。キャンプ場の入口にはゆーじさんのDR650があるからすぐにこことわかった。私に気づいたゆーじさんのお友達がゆーじさんに知らせてくれて無事皆さんと合流することができた。
キャンプ場風景 夜はタープの下で宴会
皆さんとてもフレンドリーな方々である。ただたくさんの方がいたからお名前が覚えられなかったーー失礼。何はともあれテントを張る。そして受付はそれぞれでやるとのことで、キャンプ場の受付か、そこに人がいなければすぐ先にあるコンビニで料金を支払うが、コンビニにいる方は計算ができないから、注意しなければならいと教えてもらった。
フルーツカット
キャンプ場の受付に係りの人がいたので受付をしてもらうが、料金がものすごく高い。入場料が550円、一泊が1500円、バイクの駐車料金が300円で1日2350円の二泊だから4700円も支払った。こんなに高いキャンプ場は初めてだと思ったのだが、これは料金間違いであることを帰ってからゆーじさんに教えてもらうこととなる。
カツオのたたき 薬味たっぷり
料金を支払ってビールを買うためにコンビニに行く。たしかに店員の方は要領が悪くて何事も時間がかかる。ただ悪い人ではないことはわかったのは、後日のためには良かったのだ。
鹿肉料理
温泉と城めぐりが趣味の方の隣りにすわり、早速ビールを飲みつつ料理を開始した。用意してきたのはフルーツ・カットにカツオのたたき・薬味たっぷり、それにもつ焼きである。フルーツとカツオは切るだけなのでとても簡単。それでいて安くてインパクトがあるのがポイント。フルーツは子供たちに、カツオは大人に人気だった。
私も皆さんからいろいろな料理をいただいたが、中でもいちばん印象的なのは鹿肉料理で、長野県の方がふるまってくださったものだ。鹿肉はまったく無味無臭で上質なヒレ肉を食べているようだった。
トンボ玉体験
岐阜からいらっしゃった方は軽トラの荷台に手作りのトンボ玉のお店をのせていた。これは子供たちに大人気で、カクテル・コーナーもあり私も一杯いただいた。
カクテルを作っていただいた
心地よくすごしていつの間にやらテントで就寝。