八百八町いきなやりくり 北原進 教育出版 2000年 1500円+税
江戸のなりたちや風俗を記した書である。
『江戸の高利貸』につづいて著者の本を手にとった。江戸時代の金貸しや人々の生活の様子が興味深かったからである。本書は、いきなやりくり、というタイトルだが、やりくりの記述は少なく、百万都市の仕組みや人々の暮らしぶり、遊郭や高利貸し、住宅事情や明かり、花見や祭りなど、江戸時代の風俗を幅広く取り上げたものである。
江戸の高利貸と重なる部分もあるが、百万都市を維持するための物流などの記述は興味深い。